4月10日午後5時50分ごろ、奈良県の学校のグラウンドで、中高生6人が雷に打たれ救急搬送されました。サッカー部の中学生男子生徒5人と、野球部の高校生の女子生徒1人が救急搬送され、このうち2人が意識不明の重体だということです。
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当時グラウンドではサッカー部など20人以上が練習をしていました。サッカー部の顧問の教諭3人がいて、警察の聞き取りに対しては「どんどん雨脚が強くなって、練習を中断しようか検討していたら、いきなりドンと大きな音が鳴って、落雷があった」と話をしています。
落雷の原因は、地上と上空の温度差です。10日の奈良市の上空5000mはマイナス18℃、地上は最高気温が22℃まで上がったので、40℃ぐらいの差があったことになります。
気象予報士 森朗氏:温かい空気は軽いので、急に上昇していくんですね。代わりに冷たい空気が降りてくる対流が、これぐらいの温度差になると激しくなってきてカミナリ雲が発達します。この時期まだ上空には冷たい空気が入ってきて、地上は夏に近いような温かさになりますから、起こりやすいんですよね。
恵俊彰:夏に積乱雲ができて、雷がドンと落ちるというイメージはあるんですけど、春もあるんですね。
気象予報士 森朗氏:この時期から多いんです。
弁護士 八代英輝:遠くで音が小さく鳴っているからまだ大丈夫とは言えないですね。やはりもう積乱雲の下に入ってるんだと思った方がいいですね。
雷が高い木に落ちたとき、近くに人が立つと、木から雷が移る、「側撃」にも注意が必要です。
気象予報士 森朗氏:雨も降るので木の下に入りがちなんですが、危ないです。高いところに雷が落ちて、その30m以内ぐらいは保護されるという説もあるんですけど、それ以上離れると全く関係ないです。本当にグラウンドにいるときは人間に落ちてきますからね。
▼建物や車に避難をする▼広場から離れる▼木には近づかない▼安全な場所が確保できない場合は「雷しゃがみ」をする
「雷しゃがみ」とは、耳を塞いで、両足をそろえ、つま先立ちで前かがみでしゃがむ方法です。
恵俊彰:耳をふさぐのは、鼓膜が破れるのを防ぐということらしいですよ。それだけ威力がある。
気象予報士 森朗氏:でも雷しゃがみは最後の手段ですからね。絶対安全ってことはないので、まずは中に入ることですよね。
▼まっくろな雲▼急な冷たい風▼遠くから聞こえる雷の音
気象予報士 森朗氏:エアコンの風のような冷たい風が吹いてきたら、直後に起こります。
恵俊彰:暗くなっても音がならなかったらまだいいかなと思いがちですけど、そうじゃないですね。
気象予報士 森朗氏:きょう(11日)午後も、夕方にかけて発雷確率が高い予報ですので気を付けてください。
(ひるおび 2025年4月11日放送より)