改革・再生に向けて取り組んでいる最中のフジテレビで、今度は報道局が揺れている。その震源は夕方の報道番組「Live News イット!」(平日15:45~19:00)だ。
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4月9日、「イット!」のメインキャスターを務める青井実アナ(44)が番組内で謝罪したことをご存知の方は多いだろう。番組ではまずニュースとして、青井アナがフリップの演出が上手くいかなかったためスタッフを叱責したこと、また、速報ニュースの対応を巡って自身がつけていたピンマイクを放り投げるなどの“不適切な行為”、いわゆるパワハラがあったことを報じた。その上で本人が謝罪したのだ。
そして14日には、青井アナのみならずこの問題に対応した上司たちにも「非違行為」があったとして番組プロデューサーが懲戒処分に。詳細はデイリー新潮が4月16日に配信した「『年内降板説』も フジ『イット』青井実キャスター・パワハラ問題で『被害者にあり得ない対応をした』プロデューサーを懲戒処分」に譲るとして、フリーアナであるため具体的な処分がなかった青井アナは今後どうなるのか。民放プロデューサーに聞いた。
「早くも打ち切り秒読みと話題になっていますよ。もっとも、他局ならいつ打ち切りになってもおかしくないほど『イット!』は視聴率が取れていません」
デイリー新潮は3月4日配信の「『もはや深夜番組の数字』フジ夕方ニュース『イット』の視聴率がテレ東『孤独のグルメ』の再放送に抜かれた」で、2月27日の放送は午後6時台の個人視聴率がわずか1・4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区:以下同)だったことを報じた。タイトルにもある通り、ウラ番組「孤独のグルメ」(テレビ東京)の個人視聴率は再放送にもかかわらず2・0%と、「イット!」を上回った。
「実は午後4時台はもっと酷い。世帯視聴率は1%台で個人は0%台です。フジは昼のバラエティ『ぽかぽか』(11:50~13:50)を終えると、午後の2時台と3時台は人気ドラマの再放送をしていますが、『イット!』が始まると再放送より視聴率が下がることが珍しくありません。『イット!』は他局の夕方のニュース番組より早く始まるにもかかわらず、ウラ番組に視聴者を持っていかれてしまうのですから、いかに番組への期待感、青井アナを“見たい感”がないかということでしょう」
視聴率低迷の焦りがスタッフへのパワハラに繋がったのだろうか。
「青井アナの前に『イット!』のMCを担当していたのはフジの榎並大二郎アナ(39)で、主婦層に人気でした。その榎並アナを降ろして青井アナを迎え入れたことへの反発が視聴率ダウンの始まりでした。青井アナが後ろ足で砂をかけるようにNHKを辞めたこともイメージダウンに繋がったと思います」
百貨店・丸井の創業者の孫に当たるお坊ちゃまの青井アナは、2022年4月からNHKの看板報道番組「ニュースウオッチ9」でメインキャスターを務めていた。だが、上司の許可なく親族企業から役員報酬を得ていたことが発覚して厳重注意の処分を受けると、番組でお別れの挨拶をすることもなく昨年2月にNHKを退局。4月からは「イット!」のMCに収まった。
「お坊ちゃまの元NHKアナというキャラに馴染めない視聴者も少なくないでしょう。3月31日には中居問題に端を発したフジの第三者委員会の会見が行われ、『イット!』に続いて放送された緊急特報でも青井アナがMCを務めました。しかし、彼がコメントすると自局の問題なのに他人事のように聞こえてしまう。もちろん彼自身はフジの社員ではありませんが、この問題を取り上げることに自己陶酔しているようにも見えました」
なぜフジは青井アナを引き入れたのだろう。
「NHKの人気アナで全国区の知名度がある上、民放向きの軽さもある。主婦層をターゲットにした夕方のニュース番組の顔としてピッタリだと思ったのでしょう。ただし、アテは大きくハズレてしまいましたが……」
これに加えて今回のパワハラ報道である。
「NHK時代の不祥事が発覚して“いい人キャラ”が崩れ、榎並アナ降板の反動で人気も失った上、スタッフへのパワハラで“悪い本性”が画面越しに感じられるようになってしまいました。パワハラは昨年5月ごろから始まっていたそうですから、視聴率低迷の要因としては、スタッフのモチベーション低下、MCとの関係性の悪さも挙げられるでしょう」
フジは青井アナに対して「共演者との関係についても適正なコミュニケーションに務めてほしい」と求めたという。
「スタッフを敵に回しては番組の立て直しは難しいでしょう。これほど低視聴率の番組をリニューアルして残すことも考えにくい。青井アナは謝罪の翌日、ゲスト出演した元衆院議員の金子恵美さんの名前を間違えるという凡ミスも犯しています。あれだけテレビに出ている元議員の名前を間違えるというのは、報道番組のMC失格と言われても仕方ありません。アナウンサーとしての力量にも疑問符がついています。パワハラのイメージがついてしまった以上、バラエティも難しいし、他局も起用するとは考えにくい。ただし、彼の場合、たとえアナウンサーの仕事を失っても生活に困ることはないでしょうが……」
ちなみに、古巣のNHKは青井アナの謝罪について真っ先に詳報した。
デイリー新潮編集部