富士通などは、冷凍ビンチョウマグロの脂の乗りをAI(人工知能)で見分ける検査装置を6月に発売すると発表した。
超音波を当てて計測した波形から、AIが脂の乗りを判定する。水産加工業者などを対象に売り込み、海外でも販売する考えだ。
マグロの目利きは、職人が電動ノコギリで尾を切り、断面から脂の乗りを確認するのが一般的だ。ただ熟練職人の不足により、流通量が多いビンチョウマグロは全数検査ができず、脂が乗ったマグロが缶詰に加工される例もあるという。
富士通が静岡県の新興企業「ソノファイ」などと共同開発した装置は、専門技術がなくても一人で操作できる。検査時間は1本あたり12秒で、職人の作業時間が約60秒を要していたのに比べ短い。短時間で高品質なマグロを判定し、適正な価格で市場に流通させることが可能になる。
富士通などは今後、検査対象を他のマグロにも広げ、味や鮮度などを評価する機能の追加を目指す。