東京地裁で25日、大手通販「アマゾン」の相乗り出品という方式を巡る裁判が行われました。
1つの商品のページに正規品とその価格の10分の1以下の偽造品が並んだ状態で販売されていたところ、アマゾン側のシステムで正規品が高すぎると自動的に検知され、正規品の販売が停止されました。そこでメーカーはアマゾンに対して権利侵害を申告したところ、今度はすべての商品の出品が停止されました。そして、それ以上の対応がなかったということです。東京地裁はアマゾンジャパンに対し、3500万円の賠償命令を下しました。
番組は25日、兵庫県の医療機器メーカー「トライアンドイー」の藤井敬博社長を取材しました。
トライアンドイー側が、大手通販サイト「アマゾン」で売っていたのは血中酸素飽和度を指先で測る「パルスオキシメーター」です。
コロナ禍で売り上げが伸びるなか偽造品が相次いで出品され、「アマゾンジャパン」が適切な対応をとらなかったとして、2億8000万円の損害賠償を求める裁判を東京地裁に起こしていました。
社長が手に持つのは購入調査で入手した「偽造品」です。正規品と比較すると、大きな違いがありました。
専門家立ち会いの下、部品の中身を確認してみると…。
見た目やロゴはかなり似ていますが、中身は粗末な作りだといいます。届いた際の外箱も全くの別物でした。
偽造品が出回る原因として藤井社長が問題視するのは「相乗り出品」という販売方法です。
相乗り出品とは異なる出品者であっても、「同一の商品」であれば1つのページに表示するという仕組みです。
すでに存在する商品の紹介画像や説明を利用できるため出品の手間が楽であり、消費者側も1つのページで価格比較ができるというメリットがあります。しかし原告側の弁護人は…。
今回訴訟になったケースでは、サイトに掲載された商品説明や写真は正規品のものですが、偽造品に相乗りされ、10分の1の値段で並んで表示されていたといいます。
東京地裁は25日、アマゾンジャパンが「調査を行うことなくページ全体を削除し、それ以上の対応もしなかった」として、3500万円の賠償を命じました。
番組がアマゾンのサイトを見ると、偽造品とおぼしきパルスオキシメーターが25日まで販売されていました。
その会社の所在地は宮崎となっていますが、宮崎市保健所によりますと、去年7月に会社の実態がないことが確認されています。
また、商品に記された「医療機器認証番号」という法律で定められた番号も別の会社が持っている番号で、この会社は取材に対して「自社製品ではない」と回答しました。
(「グッド!モーニング」2025年4月26日放送分より)