「あぁ~! 玉木さんや!」
男子学生が感嘆しきった声をあげた。颯爽と登場したのは、国民民主党の玉木雄一郎代表(55歳)。「ヨドバシカメラ マルチメディア梅田」前の数百人の聴衆は一斉にスマホのカメラを向けた。4月19日の17時すぎのことである。
前回衆院選で躍進し、「年収103万円の壁」の見直しでも存在感を発揮した国民民主党。玉木氏の不倫問題が発覚しても党勢は衰えず、政党支持率は野党トップ。
そんな熱気と活気が充満した街頭演説会で、玉木氏の横に立って手を振り続けている人物がいた。国民民主党大阪府連代表代行を務める、平岩征樹衆院議員(45歳)だ。
昨年の衆院選で初当選した“玉木チルドレン”だが、貝塚市議時代の’19年から旧国民民主党時代の街頭活動に参加。玉木氏と長年の盟友関係にある。
しかし、平岩氏には誰にも知られたくないであろう「別の名前」があった――。
コロナ禍の’21年6月、大阪市在住のA子さん(40代)はマッチングアプリ「ペアーズ」で一人の男性と出会った。待ち合わせ場所にやってきたのは、はにかむような笑顔が魅力的な痩せ型の男性だ。
「関西国際空港の運営会社に勤めている。一応、幹部や」
「橋本正樹」と名乗るその男は、そう自己紹介した。年齢は40歳で、同世代の会話は盛り上がった。
婚活中のA子さんはペアーズのプロフィールに〈既婚者お断り〉と明記。念には念をと、帰宅後にこんなラインを送った。
〈実は既婚者とかじゃない〉
1分以内に返信があった。
〈そうありたいけど〉
冗談めかしつつも、「既婚者疑惑」を否定した正樹。6月9日に関空連絡橋で母子飛び降り事件が発生すると、
〈今日も朝から現場検証〉
と送ってきた。独身だと確認できたし、相手の職業もわかり、安心感があった。二人はほどなくして交際し、深い関係となった。
「貝塚市の会社の寮に住んでいて、大阪市内はちょっと遠いけど、仕事で伊丹空港に毎週通っているから、その前日なら出てきやすい」
そう語る正樹にあわせ、焼き肉店などでデートを重ねた。そのうち正樹はA子さん宅にたびたび宿泊するようになる。6月末には1泊2日で石川県金沢市へ旅行。
しかし、A子さんは次第に不信感を募らせていく。ビデオ通話を嫌がるし、家にも呼ばれない……。
疑念が確信へと変わったのは7月14日の夜だった。
A子さん、正樹、A子さんの友人のB子さん、その彼氏の4人で食事をしたが、行った3軒の飲食店すべてでB子さんの彼氏がご馳走した。正樹は財布を取り出さず、お礼の言葉もない。
最後の4軒目の会計時にA子さんが言った。
「私が払う!」
B子さんも便乗してくれた。
「じゃあ私が!」
その場にいた全員が、正樹に「じゃあ、オレが!」と言ってほしかった。しかし、本人はただ黙り込むのみ。A子さんの不審は頂点に達した。
――おかしい。あまりにもケチすぎる。関空の幹部というのは本当なのか……。
帰宅後、「一緒にお風呂」と甘える正樹に「自分で入って」と冷たく言い放った。ふと見ると、彼のバッグから「ブースト株式会社」(大阪市北区)という会社の法人名義の銀行通帳が顔を覗かせていた。何だこれは……? 確認しようすると、正樹が焦って風呂場から飛んできた。
「あなた、何か自分を証明するもの持っていないの?」
ついにA子さんが詰め寄ると、正樹は必死に弁明した。
「今は運転免許証も保険証も持ってないけど、絶対に次に見せるから……」
その後、次々と明らかになった“ウソまみれの実態”とは。つづく後編記事『【独自】「関空職員」と偽って女性に近づき…偽名不倫!国民民主党・平岩征樹議員のウソをすべて暴く!』では、平岩議員を直撃した際のようすとともに詳報します。
かわの・よしのぶ/’91年、東京都生まれ。早稲田大学政治経済学部を卒業後、『サンデー毎日』『週刊文春』の記者を経てフリーに。主に政治を取材している
【つづきを読む】「関空職員」と偽って女性に近づき…偽名不倫!国民民主党・平岩征樹議員のウソをすべて暴く!