出産直後に新生児が死亡したのは担当医の医療ミスが原因だとして、両親が病院を運営する医療法人社団「三暉会」(神奈川県小田原市)と担当医に損害賠償を求めた訴訟で、東京地裁(男沢聡子裁判長)は3月31日、病院側に請求通り計約5000万円の賠償を命じる判決を言い渡した。
判決によると、母親は2019年12月24日、同会が運営する永井病院(同市)に入院。25日朝から陣痛促進剤の点滴を受け、同日夜に帝王切開で出産したが、新生児は仮死状態で生まれ、近くの病院に搬送されたが、まもなく死亡した。
判決は、産婦人科の診療ガイドラインは、母親の子宮収縮が頻発したり胎児の機能不全が確認されたりした場合、陣痛促進剤の投与の中止・減量を検討するよう求めていると指摘。同日夕時点でこれらの症状を認識しながら、合理的な理由もなく投与を続けた担当医に過失があったと認定した。
その上で、過失と死亡との因果関係を認め、病院側が賠償責任を負うべきだと結論付けた。