2025年4月1日午後3時頃、北海道稚内市のセルフ式ガソリンスタンドにおいて、高齢女性が給油ノズルを差し込んだままクルマを発進させ、破損した給油ノズルのホースからガソリン約50リットルが流出する事案が発生しました。
では給油の際には、どのようなことに気をつければ良いのでしょうか。
【画像】「えぇぇぇぇ!」これが『ノズルの太さ』が違う理由です。画像を見る!(27枚)(27枚)
これは高齢女性が給油終了後に、給油ノズルを抜き忘れて誤って発進してしまったもので、発進に気付いた従業員が消防に通報したということです。
そして、駆けつけた消防隊員が流出したガソリンを排水溝に流し、除去しました。
このガソリンは地下の水槽で処理される仕組みであり、現在のところ周囲への影響はありません。
なお高齢女性はその後ガソリンスタンドに戻ってきたということで、ガソリンスタンドは給油機の修理を進めつつ、営業をおこなうとしています。
このニュースに対しては、実際にガソリンスタンドで働いている人・働いた経験のある人から「危ういお客さんはたまにいてヒヤヒヤする」、「フルサービスでも『給油中に発車』するお年寄りがいる。目の前でやられたことあるよ」といった声が寄せられました。
さらに高齢者による給油に関して「給油する際に停車位置に合わせて停められない。ドライブをパーキングに入れられず助けを求める。給油口をどう開けるか分からない。(中略)サイドブレーキが何か忘れて、サイドかけたまま走る」などの行為を確認したという従業員もみられました。
その一方で「どうしても高齢者に焦点・批判が集まりがちだけど、結構若い人からお年寄りまで『あわや』って瞬間意外と目撃しますよ」、「明日は我が身だと思って気をつけて運転します」などの声も聞かれました。
年齢にかかわらず、誰でも事故を起こしうるとの認識を持つことは重要といえるでしょう。
給油の際は給油ノズルを元の位置に戻すことはもちろんですが、他にも注意すべきことがあります。
東京消防庁のウェブサイト「セルフ式ガソリンスタンドを安全に利用するために」では、次のような事項に留意するよう呼びかけています。
ーーー1 エンジンを停止すること2 必ず静電気除去シートを触ること3 正しい操作で給油をすること4 注ぎ足し給油をしないこと5 給油キャップの置き忘れ・閉め忘れをしないことーーー
まず1については、仮にエンジンをかけたまま給油すると、可燃性の蒸気に静電気が引火して火災につながる可能性が高くなることから、エンジンの停止を求めています。
実はガソリンの引火点はマイナス40℃以下と極めて低く、静電気のようなわずかな火花でも引火するおそれがあります。
そのため2のように必ず静電気除去シートに触れ、体にたまっている静電気を取り除いてからクルマの給油キャップを開け、給油を開始するようにしましょう。
このような手順は給油機からもアナウンスされるため、セルフでの給油に慣れていない人は参考にすると良いかもしれません。
加えて、ガソリンスタンドでタバコやライターなどを使用すると火災につながるケースもあることから注意が必要です。
また3の「正しい操作」に関して、東京消防庁は「給油ノズルは、給油口の奥まで差し込み、レバーをしっかり握って給油をおこないましょう」と説明しています。
ちなみにドライバーの中にはディーゼル車にガソリンを入れたり、ガソリン車に軽油を入れたりと誤った燃料を給油する人も散見されますが、軽油用の給油ノズルはガソリン用よりも口径が太いため、基本的に軽油用のノズルをガソリン車に差し込んでも奥まで入りません。
もし給油ノズルを差し込んだ際に違和感があれば、燃料が間違っていないか確認しましょう。
4の「注ぎ足し給油」とは燃料が満タンになっているにもかかわらず、さらに燃料を加えることをいいますが、この注ぎ足し給油によってガソリンが吹きこぼれると引火するおそれがあります。
給油ノズルにはセンサーで満タンを検知する機能があり、満タンになれば自動的に給油が止まるため、それ以上の給油はやめましょう。
そして5に関しては、給油が終わった後に給油キャップを置き忘れる人、閉め忘れる人が多く存在します。
給油口が開いた状態になっていると可燃性の蒸気が漏れるおそれがあり危険なことから、置き忘れ防止アイテムを活用するなどして確実にキャップを閉めましょう。
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高齢者に限らず若い人でも、ボーッとしていてうっかりミスをする可能性があります。
給油に関するトラブルを他人事と思わず、改めて注意する意識が大切です。