〈「知らない人に車の中へ引きずり込まれそうに…」“バスト129cmグラドル”ももせももが体験した壮絶なストーカー被害〉から続く
胸囲129センチMカップのタレントとしてグラビアを中心に活躍するももせももさんは、その胸の大きさゆえに一般の人にはわからない苦労を重ねてきた。
【特別グラビア】大きすぎて苦労ばかり…“バスト129cm・Mカップ”のグラドル、ももせももさんの撮り下ろし写真を一気に見る
胸が原因の事故多発に、階段や食事など日常生活での困難、オーダーメイドの10万円のブラジャーなど、Mカップならではの悩みを聞いた。(全3回の2回目/続きを読む)
グラビアアイドル、タレントのももせももさん 釜谷洋史/文藝春秋
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――ももせさんにとって他人の視線の問題は常にあるものなんですね。その視線のせいで、事故を起こしていたとも聞きました。
ももせももさん(以下、ももせ) そうです。一番最初は高校3年生くらいでした。自転車に乗っていた人が私の胸に驚いて見ていたら、そのまま転けたり。友達には「あれ、絶対あんたのせいやろ」って言われていたんですけど、私は確信がないし「考え事をしてて転けたかもしれんし」って思ってたんです。
でも高校を卒業してから、妹と歩いていた時に後ろから軽トラックがゆっくり走ってきて。その軽トラックの運転手さんが一回こっちを見て「あっ」って驚いて、さらに二度見して確認しようとした瞬間、トラックが電柱に突っ込んでいって。それ以外にもこっちを二度見、三度見してバイクで転ける人も結構いて。
それで「やばい。これはたぶん私のせいだ」と思って。そこからは服装とかにもすごい気をつけるようになりました。
――二度見、三度見されることが事故を呼ぶ。すごい話ですね。
ももせ びっくりさせてしまうというか「オバケを見た」みたいな感じで、本当かどうか確認するためにこちらを見て、転倒する人が多いんですね。あと電車とかでドアが開いていないのにバーンとぶつかったり。
――ももせさんは何も悪くないんですよね。電車の話が出ましたが、痴漢などの被害にも遭うのではないですか。
ももせ 私が吊り革を持って席の前に立っていると、座っている人が胸に頭やおでこをぶつけてきたりします。そういう人はすぐにわかるんで。逆に胸に当たったら悪いと思う人は、座りながら頑張って胸に当たらないように体を反らしてくれます。本当にそれが一番申し訳なくて。
座っているのが一番誰にも迷惑かけないから、座れる時は座るんです。ただ座ると胸が横の人に当たるんですよね。逆に腕を胸の横に置こうとするとめっちゃ幅を取って、横に座っている人に腕が当たって迷惑になってしまうんです。だから座った時は、前屈みになって、体が当たらないようにしています。
――本当に色々と難しい面がありますね。胸が邪魔で、階段の段が見えないから危ないとか。
ももせ 20歳ぐらいまでは階段でしょっちゅう転んでました。階段が見られないのもありますし、重心が胸のせいで前にあるので、ちょっと傾いたらもう転けてしまうから、本当に気をつけてるんです。駅の長い階段でもし落ちたらすごい事故になっちゃうから、できるだけエスカレーターがあるかをチェックするようになりましたね。
あとグラビアの仕事をし始めて、ジムに通うようになってからは筋肉がついたのか、階段から落ちることは少なくなったかもしれないです。
――体幹を鍛えたからなんでしょうね。
ももせ 今はパーソナルジムでトレーナーさんが体幹トレーニングを中心にやってくれてます。大きなスポーツジムに行ったこともあったんですけど、視線が気になりすぎて無理だなって思ったんです。かといって自分一人でのトレーニングも難しいんですよ。サポートがないと。腕立てできないですし、スクワットも人よりも胸が重い分、負荷が余計にかかるので。
――他に胸が大きくて困ることはありますか。
ももせ 食事ですね。どうしても食べると胸のところに飛んでしまうので。シミが目立たないように私服は基本黒です。あと自分一人でご飯を食べに行く時は、定食が食べられる和食屋さんが多いですね。定食って料理ごとにお皿を持ち上げて食べられるから楽なんですよね。マナー的に持っていい場合は基本持ち上げます。
逆に韓国料理は大変です。友達とタッカンマリ(韓国の鶏の鍋)を食べに行ったんですが、韓国料理って小鉢がめちゃくちゃ出てくるじゃないですか。小鉢が胸に当たらないようにと意識していたら、胸で鍋自体をバーンと倒しちゃって。そこから友達が鍋に行ってくれなくなりました。
あと、狭いお店はすごく気を遣いますね。ファミリーレストランでもそうですけど、テーブルとテーブルの間が狭くて。メニューやタブレットが立っていると、私が通ったら胸でガッシャーンって倒してしまうので。カウンターしかないようなお店だと、お皿を最初からセットしていただいているんですけど、座った瞬間に胸でバーンと押しやってしまったりはよくあります。
――バストケアも大変ですよね。
ももせ 胸の下の裏側のケアにクリームとパウダーは絶対必須です。お風呂上がりは自分で胸を持ち上げて、ドライヤーの冷風で乾かしてます。
――初めて聞いたドライヤーの使い方です。胸の重さは10キロほどあるそうですが、肩がこりそう。
ももせ もはや自分が肩がこっているという感覚がなくて。でも押されたらすっごい痛いんですよ。整体も2週間に1回ぐらい行ってます。ただ、胸があるのでうつ伏せだと苦しくて。なのでお願いしてうつ伏せはすごく短い時間だけにしてもらって、その分座った体勢で背中を中心にやってもらったりしてます。
――そうか、寝る時も大変なんですね。
ももせ 横向きで寝ることが多いです。仰向けは胸が上がってきて顎に当たって圧迫感があるので。最近は仰向けで寝るために妊婦さんや逆流性食道炎の方が使う傾斜がついた三角形のクッションがあって、それで寝るようにしています。
今までこの胸が当たり前と思ってずっと付き合ってきたんですけど、この仕事を始めてから「何か大変なことはありますか?」と聞かれるようになって考えたら山ほど出てきて。私、結構不便な生活しているんだなって今になって自覚してます(笑)。
――ももせさんのサイズだと下着もないですよね。
ももせ 今はオーダーメイドで10万円のブラジャーを使っています。それを3本持っていて使い回しています。オーダーメイドをうたっている会社さんに10社以上あたって、今は「チヨノアン」さんという会社にお願いしています。
普通オーダーメイドの会社でもワイヤーは既製品なんですよ。でも「チヨノアン」さんはオーダーメイドのものを工場に発注して頼んでくれて。ただ他の人と同じワイヤーではないので、だいたい10本分を最初にお金を払って作ってもらって、ワイヤーだけをストックとしてお店に置いてもらってます。
デザイナーさんと、パタンナーさんが2人ついてくれて、その2人と「ここの強度はこれぐらいじゃないとダメ。でも、ここはストレッチがいる」とすごく相談しながらデザインもしてもらうので、その分、お金がかかってきてるのかなって思います。
――胸の大きいグラビアアイドルは海外の下着を輸入するとも聞きますが、ももせさんの場合はそれも難しい?
ももせ 「チヨノアン」さんのものを使うまでは海外の大きいサイズのブラも使っていたんですけど、私自身はあくまで日本人の骨格なんですよ。「海外の体型だね」って言われることもたくさんあったんですけど、下着の専門家に言わせるとやっぱり日本人の骨格で、そもそもワイヤーの形が合わないらしくて。
「チヨノアン」さんのことは本当に信用しています。それまでどのオーダーメイドの会社に聞いても最初は「できます」って言われて蓋を開けてみたらできなかったっていうところが多くて。それが「チヨノアン」さんの場合は「正直できるかわからないです」というところからスタートしたんですよ。だからこそ信頼したというのはあります。
――自分にあった下着をつけるというのは本当に大切なんですね。
ももせ 私も今は胸の形をきれいにするのが仕事でも大事なのでオーダーメイドですが、もし今普通に社会人をしていたら、それこそ合わない海外の下着で妥協していた可能性も全然あります。今はオーダーメイドのブラジャーをつけて、肩こりとか腰痛とかがすごい軽減したっていう自覚があって。
――肩こりまで解消されるんですか。
ももせ そうなんです。体調がすごく良くなって。この知識を持っていればオーダーメイド一択だと思うんですけど、普通ならなかなか踏み込めてなかっただろうなって思います。
〈26歳で保育士からグラドルに「病気」「奇形」と体型を叩かれて…“バスト129cmグラドル”を救ったマツコ・デラックスの言葉〉へ続く
(徳重 龍徳)