「不動産取引は常に危険がいっぱい。初心者は勉強不足でよくカモにされる」と警鐘を鳴らすのは不動産投資家A氏。元TBS社員でフリーディレクターの大前プジョルジョ健太氏もその洗礼を受けた1人だ。
【映像】大前氏が購入したマンションの雰囲気
大前氏は若くして企画、総合演出を務めた『不夜城はなぜ回る』が2023年にギャラクシー賞を受賞。将来を有望視されていたのにもかかわらず、会社を退社してしまったという。一体何があったのか。
「入社1年目のときに営業の電話がかかってきて。『節税効果があるよ』とか、同時に2部屋一気に買いました」と語る大前氏。購入したのは都内のある新築マンション、2部屋でおよそ7000万円だった。
「収支の計算では(ひと部屋につき)月々5000円ぐらいプラスに入るよ、という試算でした」と、皮算用していたという大前氏だが「フタを開けてみたら実際にそんな良くはなく、毎月マイナス6万円ぐらい払っている。固定資産税もあるので年間大体100万円ぐらい払っている」と、現状を告白。
さらに、敷金や礼金すら、管理会社に持っていかれる契約にもハンコを押してしまったという。「業者が悪いとは僕は思っていなくて、自分の勉強不足に尽きるかなという感じ」と反省を述べた。
2024年には莫大なローンを抱えたままTBSを退社。年収は300万円にまで激減したため、年間100万円の支払いが彼を苦しめている。損切りも考えて査定してもらったが、2部屋でおよそ1000万円の赤字で「損切りするための貯金がない。なので今はとりあえず持ち続けている。本当に足かせになってしまった。人生に踏み出せなくなってしまったというのが、一番大きな意味を持っていたなと思う」と後悔を口にした。
この一件を公表したのは会社を退社してから。大前氏は「最初は『いいものを買った』と信じていた。『俺は失敗していない』『俺は大丈夫なんだ』と。親に言えなかった。会社を辞めるってなったときに『もうネタにしたほうが面白いだろうな』と思って、マインドを変えて言うようにした。公表したほうが精神的にいい」と胸中を吐露した。
不動産コンサルタントの長嶋修氏は「(保険代わりという)セールストークはあくまでウソはついてない。『損失になる』『マイナスになる』ということは言っている。このようなセールストークは50年前から使われている。『節税になるから』『保険が付いているから』というセールストークだけで買ってしまう方々は、基本的に不動産に対する知識、投資に対する知識がないと言っちゃっていい」と注意を促した。
(『ABEMA的ニュースショー』より)