北海道・旭川市の女子高校生(当時17)を殺害したなどの罪に問われている旭川市の無職・小西優花被告(20)。2月27日から旭川地裁で裁判員裁判が開かれていたが、3月5日の公判で検察は、小西被告に対して懲役25年を求刑した。
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2024年4月に起きた「旭川女子高生殺害事件」の主犯とされる同市の無職・内田梨瑚被告(22)。その“舎弟”だったという小西被告とともに、旭川市を流れる石狩川の渓谷、神居古潭にかかる神居大橋から女子高生を転落させ、殺害したなどの罪に問われている。小西被告の公判は、内田被告に先行して開かれていた。
「事件のきっかけは、女子高生が内田被告が食事をする様子をSNSに投稿したこと。これに因縁を付けた内田被告が小西被告を呼び出し、2人は女子高生を車で連れ回した上で暴行。全裸にして土下座謝罪させた姿を動画撮影した上で、橋から落下させて殺害した。小西被告は、監禁罪、不同意わいせつ致死罪、殺人罪に問われていました」(大手紙社会部記者)
この裁判では主に、小西被告の量刑について争われた。そこで争点の一つとなったのが小西被告の主体性だ。この点について、初公判から検察側と弁護側双方の主張はぶつかり合っている。
「検察側は、小西被告が内田被告を慕い、仲間意識を持った上で、女子高生に対して率先して暴言を吐いたり暴力を振るったりしたと主張。加えて彼女を橋の欄干に座らせた際には両ひざを持ち上げて落下させようとするなど、積極的に犯行に及んだとしています。
一方、弁護側は、客観的事実は認めるとしながらも、日常的に内田被告の顔色を見て行動していた小西被告の犯行はあくまで従属的な関与だったとし、内田被告も『女子高生が橋から転落した際には咄嗟に助けようとした』などと主張しています」(同前)
3月3日に行われた小西被告の3回目の公判では、検察側の証人として内田被告が出廷。しかし内田被告は、裁判長から偽りを述べないと誓う“宣誓”を求められるも、自身の公判を控えていることを理由に「(宣誓)しないです」と拒否し、わずか5分で退廷している。休廷後は、検察側が内田被告の供述調書を読み上げた。
裁判を傍聴したライターが語る。
「調書によれば、内田被告は4~5年前に小西被告と知り合い、その後はしばらく連絡を取っていなかったものの、事件を起こす少し前、2024年の3月25日か26日頃に再会したと言います。
同月末、内田被告に2年間付き添っていたという“舎弟”が地元を離れて上京したため、『4月16日に優花に舎弟になるよう依頼したところ、優花も了承した』という経緯で舎弟関係になったとのことでした」
検察側によって明かされた内田被告の調書には、小西被告の残虐な言動が記されていたという。
「小西被告は女子高生がSNSに内田被告の写真を無断使用したことを聞かされると怒り、『やっちゃいますか』と提案。内田被告が『そのつもりだ』と答えると、『ゆうかもやりたいです』と同意したとのことです。
内田被告と女子高生のいる場に合流した小西被告は、『誰にケンカ売ってるかわかってるの? それって私にもケンカ売ってるもんだよ。私と梨瑚さん、普通の友達じゃないんだけど?』と威嚇。さらに、女子高生の髪を右手で掴み、『こいつほんとイカれてますね』と言いながら左手で頭を叩いた、と」(同前)
なお、女子高生は内田被告と小西被告に車で連れ回されていた道中、トイレで立ち寄ったコンビニエンスストアで店員に助けを求めている。しかしここでも、小西被告は積極的に犯行に加担していたといった内容が、内田被告の供述調書に記されていたようだ。
「内田被告は『優花に「カメラがあるから店の裏に行く」と伝えた』とし、『優花は被害者に馬乗りになり、首を絞めていました』『被害者の首を片手で絞め、顔を叩いていました』などと供述。
また、監視カメラのない神居古潭へ移動する車内での様子については、『優花は「こいつ絶対殺しますよ」などと繰り返し暴言を発し、被害者を威嚇していた』と説明していたようです。
こうした供述が読み上げられた時には、小西被告は小さく首を横に振り、否定するような仕草を見せる場面もありました」(同前)
しかし、内田被告視点での小西被告に関する恐ろしい供述は続く。
「小西被告は道中で『(女子高生を)ボコボコにしても結局捕まるので、死なせた方がいいでしょ』と発言。神居古潭に到着してからも、『車を降りるとすぐに、駐車場のアスファルトの上で(車内で服を脱がせた)女子高生を全裸のまま正座させ、撮影していた』と。
小西被告は橋でも仰向けに倒れている女子高生に馬乗りになって首を絞めたほか、蹴ったり殴ったりもしていたとも説明されています。女子高生を橋の欄干に座らせた際は、『私は背中を両手で軽く一度押しました。優花も同様に被害者の背中を押しました』と、内田被告だけでなく小西被告も、女子高生を落下させようとしたと主張。
最終的には内田被告が『死ぬんならうちらのいないところでやって』と言って女子高生をその場に残して去り、背後から『キャー』という叫び声が聞こえたため『被害者が自殺したと思った』ようです」(同前)
一方、3月4日の公判で行われた被告人質問で小西被告は、橋の上で女子高生を「梨瑚さんが押しました」と主張。「(小西被告は)押していません。びっくりして助けようとした」などと否定している。
どちらが真実を語っているのか──。いずれにせよ、両者は事件後に「姑息に証拠隠滅を図っていた」(前出・社会部記者)という。
「2人は犯行後、女子高生の携帯電話のデータを削除し、また自分たちの携帯からも女子高生に関するメッセージを削除しています。女子高生が橋から転落した後も通報することなく、事件を隠ぺいしようとしていた。
女子高生が全裸で土下座する動画などが裁判員に公開された2回目の公判(2月28日)では、ティッシュで涙を拭う仕草も見せていた小西被告。懲役25年を求刑された3月5日の公判では、『今さら後悔や反省を言っても言い訳でしかない』『どんな判決であろうと覚悟はできています。本当にすみませんでした』などと涙ながらに謝罪しています」(同前)
裁判員の目に、小西被告の言動はどう映ったか。判決は、3月7日に言い渡される。