昨年4月、北海道旭川市の景勝地「神居古潭」の石狩川にかかる神居大橋で女子高生が川に転落死させられた事件。殺人などの罪に問われている旭川市の無職・小西優花被告(20)の裁判員裁判が旭川地裁で行われている。
【写真】「うちの舎弟かわいいな少しだけ」内田被告が投稿した小西被告の笑顔
3月3日の第3回公判では、一悶着が起きた。証人として出廷した同市の無職・内田梨瑚被告(22)が証言を拒否したのだ。
「内田被告は小西被告を“舎弟”として扱っており、事件を主導したとみられています。証人尋問では、『同じ内容の裁判が控えているので、ここで話したくありません』と証言を拒否し、5分ほどで退廷しました。
裁判の証人は、尋問に先立ち“真実を述べる”といったことを宣誓するのですが、内田被告はその宣誓も拒否しています。正当な理由なく宣誓拒否すると刑事罰を科される可能性があるにもかかわらず、頑として応じませんでした」(全国紙社会部記者)
ネット上では〈全く反省の色が見えない〉や〈心証最悪〉など怒りの声が広がっているが、証言拒否は珍しいことではなく、宣誓自体を拒否するケースもまれにあるという。
元東京地検特捜部副部長で弁護士の若狭勝氏が解説する。
「共犯者の裁判で証言するなかで、自身の裁判で不利になるようなことを言ってしまうかもしれません。その展開を避けるために証言自体を拒否するというのは、想定されうる行動です。弁護士と事前に打ち合わせしたのだと思われます。宣誓自体を拒否するのは珍しいですが、全くないことではありません。
証言をしないことで、裁判官らに『話すと何か不都合なことがあるのだろう』という印象を与えてしまう可能性はあります。しかし刑事手続きに則っている以上、本人が言いたくないのであれば、その立場は尊重する必要があります」
内田被告の退廷後、検察側は、彼女の供述調書を読み上げた。
「内田被告の供述調書によると、小西被告が『やっちゃいますか?』と被害者に暴行を加えることを自ら提案したとされています。また、被害者を車で連れ回している最中に『絶対殺す。死ね』などと脅したといいます。
今回の裁判では、“小西被告の主体性”が主な争点のひとつとなっています。小西被告は内田被告の舎弟でしたが、検察側は『精神的に支配されていたわけではない』と主張しています」(前出・全国紙記者)
内田被告と小西被告は、強い仲間意識で結ばれていたようだ。NEWSポストセブン取材班は、内田被告が事件後にInstagramに投稿した“ドライブ動画”を入手している。いつ撮影されたのかは定かではないが、動画では小西被告が車を運転し、内田被告は助手席で『非行少女』という歌をノリノリで歌っている。
内田被告を知る人物は、「基本的に、イキリ体質なんです」と語る。
「とにかくリコは、自分を強く見せたいんですよね。地元で知られているコワい人の名前を出して、繋がりをアピールしたりとか。基本的に、イキリ体質なんです。先輩にはペコペコするけど、年下とかにはオラオラいく。同世代からは、“なるべく関わらないようにしよう”って距離を置かれていました」
この知人女性は、内田被告の“イキリ”な性格が事件を引き起こしたのではないかと推察する。
「特に後輩の前では死ぬほどイキっちゃうタイプなんですよね。で、被害者の子も年下じゃないですか。リコ的に“年下に舐めた態度をとられた”と感じたのと、周りが全員年下で後に引けなくなっちゃって、こういう事件が起きたんじゃないですかね」
なお、内田被告は「殺害に関わっていない」と供述しているという。3月4日に行われた被告人質問で、小西被告は「梨瑚さんの調書は全部作り話」だとして、「本当のことを話してほしい」と呼びかけた。
食い違う双方の言い分──。いずれ始まる裁判で、内田被告はどのような主張を繰り広げるのか。
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