2023年7月に札幌・繁華街ススキノのホテルで頭部の切断された男性(当時62)の遺体が見つかり、親子3人が逮捕された事件。12月12日、死体遺棄ほう助と死体損壊ほう助の罪に問われている母親の無職・田村浩子被告(61)の第7回公判が開かれた。
【写真】瑠奈被告が購入していたとされるムチのほか、行きつけのバーで飲んでいた「目玉テキーラ」、田村一家の自宅前に置かれた謎のクーラーボックス
殺人と死体損壊罪に問われている娘の瑠奈被告(30)を中心とした一家のいびつなありようがこれまでの裁判で徐々に明らかになり、世間に衝撃を与えてきた。大きく注目を集めた要素のひとつが、瑠奈被告が父親の修被告(60)と“SMのデモンストレーション”をしていたことだ。
瑠奈被告と被害男性Aさんは2023年5月、ススキノのクラブで出会い、その夜のうちにホテルで行為に至った。しかしAさんが避妊しなかったとして、瑠奈被告は憤慨し、「嫌なことをされたから今度は私が嫌なことをしてやりたい」と言っていたという。
再びAさんと会う約束をした彼女は、かねてより興味のあったSMプレイを試そうとした。それにあたって、なんと父親を相手に予行練習をしたという。浩子被告の過去の公判では、修被告の証人尋問も行われ、“実の娘とのSMプレイ”について自ら語っていた。
「長くて1~2分、もっと短かったかも。正座して、手を後ろに回して、目をつぶって、手錠をかけられて、アイマスクのつもりだと言われました。後ろから何か迫ってきて、頭や首の周りを触ったりする様子がありました。
(娘が)『どう?』と言うから、『何かぞくぞくするね~』と、なんかやりとりした記憶があります。ちょっとしたら本人は満足して『もういいわ、OK』と」(過去の証人尋問での修被告の発言)
ふたりとも衣服を着ていたというが、一般的ではない父娘のやりとりだ。浩子被告の第7回公判では、母親の目線から、娘のSM趣味について語られた。
「(SMに興味を持つようになったのは)コロナよりだいぶ前です。ムチとか所有していて、『女王様をやってみたい』と」(第7回公判での浩子被告の発言、以下同)
浩子被告によると、瑠奈被告は口枷などの道具も持っていたそうで、かなり本格的にSMの世界に入れ込んでいたことがうかがえる。ムチを打つことをスポーツとして楽しむサークルの練習に参加したこともあったという。
「本人はとても楽しかったようですが、(練習に参加して)2回目か3回目かのとき、年配の男性から個人的にお茶に誘われたそうで、『気持ち悪いので行きたくない』と言って行かなくなりました」
世間に衝撃を与えた“父娘のSMプレイ”についても語った。
「笑いそうになるのを堪えながら同じ空間にいました。スカーフで撫でるくらいで、『シチュエーションを試してみたいのかな』と。激しいプレイを想像するかもしれませんが、そんなことはなく、穏やかな、私から見るとふんわり。ごく短時間で、5分やっていたかどうかです」
こうした状況もまた田村一家の“ズレ”が作り出したものなのだろうか。