石破茂総理は3日に行われた参議院本会議の代表質問で、立憲民主党・辻元清美代表代行に対し、いわゆる「103万円の壁」「130万円の壁」について答えた。
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辻本氏は「年収の壁」について「総理は所信表明演説で103万円の壁の引き上げに言及した。この引き上げ額を決めるにあたって、何の指標を使うのか。最低賃金か、それとも消費者物価指数か。さらに最低賃金そして消費者物価指数の食料品、基礎的支出項目、それぞれについての引き上げ額と、国・地方の税収減の試算を示してほしい」とした。
また「103万円の壁を引き上げても、その先には130万円の崖が待ち受けている。現状では130万円を超えると、国民年金・国民健康保険の保険料を支払うということになるものの、将来受け取る年金給付が増えるなどのメリットはない。立憲民主党では、この130万円の崖を給付金で埋める就労支援給付制度の導入に関する法律案を提出した。政府の2年間程度の臨時的な措置では不十分。壁と崖、併せて解消することを提案する」と述べた。
これに対して石破総理は「いわゆる年収103万円の壁については、どのような目的、位置づけなのかにより、参照すべき指標や、これをどのように用いて引き上げ幅を確定するのかは異なるものと考えている」と述べた。また「現在、3党の税調会長の間において、政策的な目的を含めて議論され、協議されている。参照すべき指標や、引き上げ幅などについてお答えをすることは差し控える」とした。
さらに「国民民主党からは、最後に基礎控除の引き上げが行われた平成7年以降の最低賃金の上昇率1.73を基礎控除48万円と給与所得控除の最低額55万円の合計額103万円に乗じ、その結果の178万円まで、基礎控除を75万円まで引き上げることが提案されている。この場合の国、地方合わせた減収額は、7兆円から8兆円程度と試算しており、ご指摘の消費者物価指数の食料品、基礎的支出項目については、3党でまさに協議が行われている最中」だとして回答しなかった。また、130万円の壁については「当面の対応として、被扶養者認定を円滑化するなど、年収の壁・支援強化パッケージの活用にまずは取り組む」とし、「就業調整を行っている労働者が希望に応じて働くことができるよう、制度的な対応を図ることも重要だ。政府は現在、次期年金制度改正に向けて議論を行っているところで、働き方に中立的な制度を構築する観点から、被用者保険のさらなる適用拡大など、関係者間で丁寧に議論を進め、成案を得るべく努力する」と答えた。(ABEMA NEWS)