兵庫県知事選でパワハラやおねだり疑惑のあった斎藤元彦氏が勝利したことを受けてSNSの規制が取りざたされている。放送法や公選法の縛りのあるテレビを中心とした大手メディアに対して、SNSは自由なだけに玉石混交となっている。それだけに規制が必要というわけだが…。
選挙中は斎藤氏を勝手連的に応援する人たちがSNSを駆使し、情報を拡散。さまざまな批判をされた斎藤氏だが、SNSではむしろ悪いのは兵庫県議会や大手メディアとされた。斎藤氏は18日の一夜明け会見でSNSについて「草の根的にSNSでいろんな方が私の政策を整理していただいたり拡散してくれた」と振り返った。
一方でSNSには真偽不明の情報も流れやすいことから、何らかの規制が必要との声も上がっている。元宮崎県知事の東国原英夫氏はテレビ番組で「今後はSNSも公職選挙法の対象にする必要がある」と述べている。
SNS規制が最適解なのか。ITジャーナリストの井上トシユキ氏は「SNSやネットを規制しろという人もいるが、むしろ大手メディアの規制をネットに合わせた方が運用がラクでしょう」と、SNSの規制ではなく大手メディアの規制緩和を勧めた。
特にテレビでは公平性の観点から選挙期間中はあまり選挙報道をしない。その穴をSNSが埋める形となっていた。「米国だと選挙でもメディアは態度を明確にしている。日本もそうした方が、選挙中にネットでフェイクニュースが流れたら、大手メディアで検証してネットのウソを指摘することができる」(同)
今後もSNSの重要性は増すばかり。「SNSを使った選挙は都知事選の石丸伸二氏からの流れで、これからも続いていくでしょう。『SNSに本当のことがあり、オールドメディアは権力の手先』というイメージが強化されたのが今回の選挙です」と指摘した。
同時にフェイクニュースには注意だ。「あえてSNSにフェイクを交ぜて利用する人間も出てくるでしょう。だまされないためにはできるだけ多くのソースに当たり、その上で自分で判断することが大切です」(同)
規制すれば解決というわけではない。