まぶたを閉じじっと下を向く女。焼き肉店に放火し、店舗が入る集合住宅を燃やそうとした疑いで逮捕された久留嶋雅子容疑者(71)です。
2024年7月、店の防犯カメラには燃え盛る炎の奥でその様子を見つめる、久留嶋容疑者の姿が映し出されていました。
傘をさし、つえを突きながら歩く久留嶋容疑者。するとその直後、煙とともに瞬く間に火の手が上がったのです。
住民たちが慌てて火を消そうとする中、久留嶋容疑者は微動だにせず現場を見つめていたのです。
さらに消防隊が到着し消火活動を行う中、近くにいた人と会話する様子もみられました。
一体なぜ、久留嶋容疑者は自ら火を付けたにもかかわらず現場にとどまったのか。
心理学に詳しい明星大学心理学部・藤井靖教授は「典型的な防衛的露出。犯行現場に証拠を残してないか確認したいとか、自分が犯人だとバレてないか確認したい」と久留嶋容疑者の行動を分析します。
また、事件の翌日以降も現場近くに現れたという久留嶋容疑者。現場近くで店を営む人によると、ある異変を感じたというのです。
近くの店の代表:「次どこ行くん?」言うたら「何よ何よ」って何度も振り向きざまで、つえ持ってたのにめちゃくちゃはやくなってもうて。
久留嶋容疑者が焦る様子も見られたといいます。
逮捕されたことを受け、被害に遭った店の店主は「ようやくホッとしました。全然面識ないんですよ。うちに来店されたこともないし、(動機は)ほんまに見当つかないです。『放火はかわいそうですけど、これに負けんと頑張ってください』と言いに来てくれるお客さんがいっぱいいた」と話します。
事件後、店には各地から多くの励ましの声が寄せられたといいます。
被害に遭った店の店主:看板が燃えてホルモンの「ホ」がなくなった。「ルモン」が残ったので「負けるもんか」負けられへんのでね。
警察の調べに対し久留嶋容疑者は「私がやったことに間違いありませんが、マンションを燃やしてしまおうなんて思っていません」と、容疑を一部否認しています。