2022年7月、宮城県仙台市内で営業していた、飲食チェーン「大阪王将」のフランチャイズ店舗の「仙台中田店(現在は閉店)」で「ナメクジ」などが大量発生していると元従業員の男がSNSに投稿し、「内部告発」として話題になった。
その後、ナメクジが大量発生していた事実はないのにSNSで拡散し、業務を妨害したなどとして、仙台地検は元従業員の圓谷晴臣被告人(25)を偽計業務妨害の罪などで起訴。今年4月から仙台地裁(須田雄一裁判官)で開かれている裁判は、5回の公判を経て、まもなく判決をむかえる。

ただし、被告人は保護対象外なのだ。告発の動機は「復讐心」と認められ、悪意が前提。そして、被告人の犯した最大の「ミス」は通報先がSNSだったこと。「公益通報」の要件として、通報先が「事業者内部」や「権限を有する行政機関」などと定められているが、被告人はSNSに投稿して不特定多数に晒してしまったのだ。