焦りなのか。自民党が27日投開票の衆院選で、非公認にしていた候補が代表を務める政党支部に2000万円を振り込んでいた問題で24日、石破茂首相が逆ギレしたと話題だ。石破氏は広島市の街頭演説でこの件に触れ、「候補者にお金を出してはいない。政党支部に出している。このような時期に報道が出ることは誠に憤りを覚える」と話した。
さらに、党内向けに文書を配布。「なんら法律的、倫理的にも後ろ指をさされるものではありません」と問題ないと呼び掛けた。永田町関係者は「焦りがあるのだろう。かなり悪い情勢調査をつかんでいるのではないか。いつもの石破氏なら『憤り』ではなく、もっと説明に努めたはずだ」と指摘した。
配布文書で今回の2000万円はあくまで党勢拡大のためのものと強調。公認か非公認かの区別はないと訴え、「裏公認」などの批判は当たらないとしている。また、非公認候補が今回の交付金を選挙運動に使うことはできないとの説明もしている。
もっとも、一部の非公認候補がこの2000万円に「迷惑」「返したい」と話していると報じられている。野党関係者は「非公認候補が政党支部に支給された2000万円を『返したい』と言えるということは、非公認候補がそのお金を管理できる立場にいるということじゃないか。墓穴を掘っている」と、「政党支部に出した」という石破氏の説明に疑問を抱いている。
2000万円問題が浮上したことで選挙戦にも影響が出ている。立憲民主党のある候補者は「この問題が発覚した昨日(23日)から有権者の方から近づいてくれるようになった。ビラを受け取ってくれる人も増えた。流れは一変した」と明かした。
石破氏は「共感と納得」をよく口にしていたが、逆ギレでは共感と納得は得られなさそうだ。