飲酒運転と見られるトラックが乗用車に追突し、家族3人が死亡した事故で、起訴内容に飲酒運転が含まれなかったことに、遺族が「到底納得できない」と答えました。
塚越湊斗くん(2)は、まもなく3歳の誕生日を迎えるはずでした。
夫・寛人さん(26)と、何よりも心待ちにしていた日。
今年5月、寛人さんと湊斗くん、そして湊斗くんの祖父・正宏さん(53)の3人が乗っていた車に、中央分離帯を猛スピードで乗り越えたトラックが突っ込み、3人は命を奪われました。
トラックを運転していたのは、鈴木吾郎被告(69)。被告からは基準値を超えるアルコールが検出されていて、先月、危険運転致死傷の容疑で逮捕されました。
会社の呼気検査では異常がなかったことから、検査からトラックに乗るまでの間に酒を飲んだとみられています。
事故からおよそ4カ月。裁判を前に、遺族のもとには信じられない知らせが届きました。
前橋地検は鈴木被告を逮捕容疑の危険運転致死傷罪ではなく、それよりも法定刑が軽い過失運転致死傷罪で起訴したのです。
裁判所に提出された起訴状にはアルコールという文字はなく、「進路を適正に保持しながら進行すべき自動車運転上の注意義務があるのにこれを怠った」とあります。
現時点で、事故の原因は飲酒ではなく不注意というのが前橋地検の判断です。
危険運転致死傷罪は懲役20年以下、過失運転致死傷罪は懲役7年以下で、量刑に大きな差があります。
奪われてしまった幸せな日々。子どもと夫の写真に毎日話しかけているという湊斗くんの母親ですが、起訴内容については、まだ伝えることができていません。
(「グッド!モーニング」2024年9月17日放送分より)