閉店直後にビールを求め、断ると激高してイスを投げ飛ばし、さらに店主を殴り始めて…。被害に遭った盛岡市内の焼き鳥店が、高齢者の男が暴力を振るう様子を撮った動画をXで投稿し、波紋が広がっている。
店員が110番通報して、警察が駆け付けたが、男は、何も覚えていないと話したという。どんな状況だったのか、店主に取材して話を聞いた。
「いや、でも店終わってるから」。店主がこう伝えると、茶色い帽子を被りメガネをした男は、「うるせい!」と怒鳴った。
店主が「店のものを投げたりとか…」と言い始めると、男は、「そんな能書きはいらねんだ!」とまくし立てた。男は、「ビールが…」と不満を漏らし、店主は、「いや、ビールは出せないですって。店終わりましたもん」と説明する。
男は、むくれた表情で店を出ようとし、その際に、カウンターのテーブルに上げられたイスを次々に投げ飛ばす。店主が「お客さん、イスを直していって下さいよ」と呼びかけると、男は、「直せ?」「分からねえな!」と首をひねり、押し問答になった。
「いや、分からねえで済まないですって」。店主がこう指摘すると、男は、「なら、訴えろ」などと捨て台詞を吐く。店主が「名前と連絡先教えてもらっていいですか?」と迫ると、男は、「コラッ」と叫ぶなり、いきなり右手で店主を殴った。店主は、「いやいやいや」と困惑したが、男はそれでも止めず、今度は左手で殴り、さらに、持っていたカバンで二度も叩いた。
こうした暴力行為が映った動画は、盛岡市内の焼き鳥店「炭火焼 鳥八 分店」が2024年9月19日に3つに分けてXで投稿した。
投稿された動画は、2000万回以上閲覧され、波紋が広がっている。
店の投稿によると、19日午前4時の閉店後に清掃をしていると、男が店に来て「ビールくれ」と要求し、断ると怒り出した。110番通報したが、警察が駆け付けるまで、さらに複数回殴られたという。店主は、10~15分の間に計十数発ほど殴られ、顔が少し腫れて唇が切れるケガを負った。他のいくつかの店からも通報されたというが、男は、何も覚えていないと主張したという。
当時の状況について、「炭火焼 鳥八 分店」オーナーの店主は9月20日、J-CASTニュースの取材に対し、こう明かした。
店主は、首から頭にかけて痛みがあるといい、男が投げたイスは傷ついていたという。ただ、男は、飲み過ぎで覚えていないと言っており、まともに話ができるとは思えないため、警察に被害届を出すことは、まだ考えていないとした。
焼き鳥店と男とのトラブルについて、盛岡東署は20日、通報を受けて出動したことは認めた。
(J-CASTニュース編集部 野口博之)