9月半ばにかけて、南シナ海やフィリピンの東、さらにマリアナ諸島付近で、台風など熱帯擾乱が発生しやすいでしょう。日本から離れた海域で発生する台風は、発生してから北上して日本に近づくまで、発達を続ける期間が長くなります。例年では、秋の台風は、本州付近まで北上すると、偏西風に乗って、動きが速くなることがあります。ところが、今年は台風が本州付近まで北上しても、台風を動かす風が吹いていないこともありそうです。今回の台風10号のように、台風は動きが遅く、影響が長引くこともあるかもしれません。
新たな台風が複数発生か
8月の終わりから、南シナ海やフィリピンの東、さらにマリアナ諸島付近にかけて対流活動が活発になっています。今日1日の雲の様子をみると、南シナ海からフィリピンの東、さらにマリアナ諸島近海にかけて、発達した雲がみられます。フィリピンの東では、モンスーンによる西風と偏東風がぶつかるモンスーントラフをきっかけに、熱帯低気圧が発生しています。この熱帯低気圧は、今後、発達しながら北上し、台風になる予想です。日本の南にも、発達した雲がみられます。この海域でも、新たな熱帯低気圧が発生する可能性があります。太平洋北中部には、ハワイの西にトロピカル・ストームHoneのまとまった雲があります。トロピカル・ストームHoneは、ハワイ時間8月31日午後8時、北へ6mph(時速約10キロ)で進んでいます。中心の気圧は1007hPa、最大風速は40mph(約17.9m/s)です。今後、勢力を維持したまま、日付変更線を超える見込みです。トロピカル・ストームHoneが、勢力を弱めずに日付変更線を超えると、台風になります。いわゆる越境台風です。
今後の台風の傾向は? 例年と違う特徴も
9月半ばにかけて、南シナ海やフィリピンの東、さらにマリアナ諸島付近で対流活動が活発な状態が続くでしょう。この海域で、台風など熱帯擾乱が発生しやすい状況が続きます。今後、台風が発生しやすい海域は、比較的日本から離れています。台風は、海上を進むあいだは発達しやすいため、日本から離れた海域で発生する台風は、発生してから北上して日本に近づくまで、発達を続ける期間が長くなります。例年では、秋の台風は、本州付近まで北上すると、偏西風に乗って、動きが速くなることがあります。ところが、今年は季節の進みが遅く、偏西風は平年より北を流れるでしょう。このため、台風が本州付近まで北上しても、台風を動かす風が吹いていないこともありそうです。今回の台風10号のように、台風は動きが遅く、影響が長引くこともあるかもしれません。台風シーズンが続きます。いざ避難する場合に備えて、避難場所や避難経路を確認しておくとよいでしょう。