斎藤元彦・兵庫県知事(46)のパワハラやおねだり体質などの告発文書を作成したX氏が知事側近に突如役職の解任を言い渡され、告発内容の調査を直接求めていたことが「週刊文春」の取材で分かった。
【写真】「なんでそれを知っとるんやって聞きよんやろが!」自殺した職員を詰問していた片山安孝副知事(64)
斎藤知事の一連の問題は、兵庫県の西播磨県民局長X氏が3月に知事のパワハラなど7項目を告発する文書を作成したことが端緒となっている。県はX氏を解任した後、懲戒処分とし、X氏は7月に自ら命を絶った。さらに別の職員も4月に自死していたことが判明するなど異常な状況となっている。
斎藤元彦兵庫県知事
「週刊文春」はこれまで斎藤知事の側近が陰に陽に行ってきたX氏への個人攻撃や副知事(当時)による高圧的な取り調べ音声、県側が作成したX氏らへの取り調べ指示書の存在を報じてきた。
そして今回、「週刊文春」が入手したのが、3月27日に知事側近の片山安孝副知事(当時)と総務部長(当時。4月以降「若者・Z世代応援等調整担当理事」=8月1日付で降格)がX氏に西播磨県民局長の解任を言い渡す音声データとその様子が記されたメモだ。

メモには突然の辞令に驚いた様子が記録され、音声データには「今日中に県民局を片付けて退出してくれ」という片山副知事からの命令の後に、翌日以降の勤務についての指示が録音されている。X氏は説明を受けた後、告発内容の真相究明を必死に訴えた。
「守秘義務違反で問われるとすれば、あれの(内容)すべてについて何が真実で何が真実でないかというのは調べていただきたいなというふうに思います」
片山氏の返答はこうだ。
「はい。分かった。じゃあ、今の指示の通りに従ってやってください。以上です」

現在配信中の「週刊文春電子版」では、X氏が側近職員に訴えた内部告発への思いも録音された音声データを公開中。電子版オリジナルの記事ではメモの内容とともに、側近職員による「連絡禁止」の命令や知事の会見に対するX氏の抗議メッセージなどを詳しく報じている。
(「週刊文春」編集部/週刊文春 電子版オリジナル)