台風10号の進路が西回りになってきています。25日(日)までの予想と比べると進路を東に変えるタイミングが遅れ、九州か四国に上陸、その後は列島の広範囲に荒れた天気をもたらす恐れが高まっています。
台風が進行方向を変える地点を「転向点」といいます。自動車がカーブする際にスピードを落とすのと同様に、この転向点付近では台風の動きも遅くなります。今回の台風10号は九州のすぐ南の海上、奄美大島付近で転向するとみられ、九州南部や奄美付近に台風が長く居続ける可能性が高まっています。台風本体の非常に発達した雨雲が長時間かかることに加え、風速25m以上の暴風域に丸一日以上入る恐れがあり厳重な警戒が必要です。 その他の地域も油断できません。台風の動きが遅いということは、熱帯由来の高温多湿の空気が同じような場所に流れ込み続けることを意味します。西日本や東海の太平洋側、特に山の南~南東斜面では激しい雨が続き、総雨量がかなり多くなる恐れがあります。
全国各地を襲うゲリラ雷雨。24日(土)には埼玉県、25日(日)には富山県、新潟県、岩手県、香川県、栃木県で記録的短時間大雨情報が相次いで発表されました。25日(日)には富山・上市町で1時間に146.5mm、全国でも歴代9位という猛烈な雨を観測しています。また、26日(月)未明には栃木県で線状降水帯が発生しました。 26日(月)夜にかけても台風10号周辺の非常に湿った空気が列島に流れ込みやすい状況です。さらに、北日本には秋雨前線が停滞するため、広い範囲で激しい雷雨となる恐れがあります。不安定な天気は26日(月)だけで終わらず、今週は毎日続いてしまいそうです。
改めて、台風への備えをお願いします。台風が西回りのコースとをとるということは、台風進行方向の右側、いわゆる「危険半円」に入るエリアが広くなるということです。 今回の10号は勢力が強く台風自体の風も相当なものですが、危険半円ではこの風に台風本体の移動速度が加わるため、より暴風が吹き荒れやすくなります。 大規模な停電に備え、懐中電灯やスマートフォンの予備バッテリーを用意しておく、お風呂の水をためておくなどの対策が非常に重要です。また、ペットボトルの水を凍らせておくと停電時の冷蔵庫や冷凍庫内の保冷効果をわずかながら高めることができ、暑さ対策にもなります。ベランダの植木鉢や物干しざおなども暴風で飛ばされると凶器になりますので、できるだけ早く室内に移動するようにしておきましょう。