物価高などの影響で美容室の倒産が相次ぐなか、激安料金の美容室が人気となっています。低価格を実現する独自の取り組みを取材しました。
店内で多くの客が順番待ちをしている美容室「ヘアサロンIWASAKI 東京自由が丘店」。人々のお目当ては、平日タイムサービスです。
なんと平日の午前10時から12時までの間は、税込み690円でカットを行っているというのです。(※洗髪なし)
なぜ破格の値段でサービスを提供できるのでしょうか?
一般的な美容室の場合、カウンセリング、シャンプー、カット、ドライを行い、会計まで60分ほどかかるといいます。
しかし、この美容室ではカット1本に絞ることで、客の回転率を上げています。
さらに、時間を短縮できるカット技術をまとめた動画マニュアルを作成。新人美容師はそれを見て学ぶことができるので、育成にかかるコストを削減できるというのです。
昨今の物価高に対しても、こんな工夫がされていました。
カットの際に客の首元に巻くタオル。これを使い捨てできるネックペーパーに変更することで、タオルの洗濯にかかっていた費用を削減しました。
こうした企業努力で、この美容室は全国で1000店舗超えを達成。4月以降だけで50店舗近くも出店しています。

一方、業界全体に目を向けると、光熱費や人件費の上昇などが原因で、全国的に美容室の倒産が増加しています。
東京商工リサーチによりますと、美容室の倒産件数は今年1月から4月で46件となっていて、これは過去10年で最多のペースです。
厳しい状況のなか、業績を伸ばしている美容室は他にもあります。
板橋区にある美容室「チョキペタ 成増店」。カットとカラーの専門店で、料金はカット代が税込み1430円、カラー代が税込み2640円と格安です。
売り上げのおよそ8割を占めるのが女性客。店には多くの女性客に来店してもらうための戦略がありました。
さらに、格安でサービスを提供するために店に導入したのが、カットのみの客はプラス550円で受けられるという「オートシャンプー」です。
客が機械にシャンプーしてもらっている間に、美容師は別の客のカットやカラーを行うことができ、回転率を上げられるのです。
番組スタッフもオートシャンプーを体験してみると、「水圧がすごいしっかりしていて、すごい頭皮がマッサージされている感覚」だということです。
他に、客自身が髪を乾かす「セルフブロー」や会計を行う「セルフレジ」も導入。こうした工夫で格安なサービスを提供できているのです。
激安カットの理由には、コストや時間のカットの工夫がありました。
(「グッド!モーニング」2024年8月27日放送分より)