「巨大地震注意」の情報を受けて、デマが横行している。SNSには「8月14日に南海トラフはおこります」「8月15日に起こります」「8月16日14時に起に起こります」「8月17日5時53分56秒に来ます」など、日付けごとに数え切れないくらい投稿が確認できた。気象庁は「日時と場所を特定した地震を予知する情報はデマ」だと注意を呼びかけている。
Xの投稿(9日)「只今、大阪いるけど地震雲」「これ地震雲?」
青空に真っ直ぐに伸びた雲の写真とともに、SNSに投稿されていた「地震雲」というキーワード。
8月8日、宮崎県で起きた最大震度6弱を観測する地震を受け、気象庁は初めて、南海トラフ地震の臨時情報「巨大地震注意」を発表した。
大きな地震への不安が高まる中、翌日の9日以降「地震雲」に関する投稿が急増している。
Xの投稿(12日)「今九州。。地震雲っぽいの2時間くらい前からあって怖い」「仕事中に後輩が地震雲みたいなの出てますよー言うてきたけん見たら地震雲にしか見えんくなった」
“地震の前兆”と言われてきた「地震雲」をめぐり、広がる混乱。
一方で、映画「天気の子」の気象監修を務めた“雲の研究者”の荒木健太郎氏がSNSに、「雲は地震の前兆にはならない」と投稿した。
雲の研究者 荒木健太郎氏の投稿:何度でも言いますが、雲は地震の前兆にはなりません。巷で「地震雲」と呼ばれることの多い雲は全て気象学で説明できる子たちで、雲の見た目から地震の影響等を判断するのは不可能です。
「南海トラフ」をめぐる“根拠ない投稿”は、これだけではない。
「予言します。8月10日に巨大地震が来ます」
Xには、日時と場所を特定し、“地震を予知”するような投稿も多く見られた。
「2024年8月14日に南海トラフはおこります」
中でも多かったのが、「8月14日に地震が起きる」という投稿。こうした投稿について気象庁は、“デマ情報”だとはっきり否定した。
気象庁の会見(10日):日時と場所と規模を特定して地震を予測することは現在の科学技術ではできないと、国として見解が出され、気象庁もそのように考えている。そういう情報はデマ。デマに惑わされず備えや災害対応をとってほしい」
さらに、「トンボの大群が飛んでいた、大地震の兆候」などと、昆虫や動物、植物などの予知能力に関する投稿についても気象庁はホームページで「科学的に説明できていない」と説明している。
発生から5日が経ち、今後に向けた解析も進んでいる。
京都大学防災研究所 西村卓也教授:詳細な解析をすると、今回の地震で動いた震源の場所と、前回1996年の場所というのはどうも全く一緒ではなくて。1996年で動いた断層っていうのが、まだ「割れ残り」という形で残っている可能性がある。
専門家によると、解析の結果、今回の地震ではプレートが動かなかった“割れ残り”が生じている可能性があることが分かったと言う。
京都大学防災研究所 西村卓也教授:そうしますと、M7クラスの地震が再び発生する可能性も否定はできないと思う。津波も8月8日と同等、あるいはもう少し大きいぐらいの津波も可能性としてはある。
専門家は、「地震に対する備えを見直し、基本的には普段通りの生活をしながら、常に地震や津波の情報が入るように気をつけて欲しい」としている。(「イット!」8月13日放送より)