コロナが「第5類」となったのは2023年5月8日のこと。とはいえコロナが消え去ったわけではなく、感染力が強いことも変わらない。「厚生労働省「新型コロナウイルス感染症の定点当たり報告数の推移(2023年第19週以降)」を見ても、2024年夏も感染者数が増えているのがわかる。感染力の強い病気ゆえ、入院もうまくできないなどの問題も起きているようだ。では、母親がコロナにかかった子どものケアをしないとしたら、みなさまはどう思うだろうか。
キャリア10年以上、3000件以上の調査実績がある私立探偵・山村佳子さん連載「探偵が見た家族の肖像」は、時代を反映した事例も多い。お盆の時期に振り返りたい記事から、ここ最近の時代を象徴しているもの、反響の大きかったものに最新情報を加えて再編集する短期集中連載。その第2回のテーマは「離婚の理由」だ。
2022年に内閣府が発表した『男女共同参画白書』のデータには「過去の離婚の経験」という項目がある。50代女性は19.4%、60代女性は18.4%が過去に離婚経験がある。また、50~60代の独身女性の約半数に離婚経験がある。
一方、男性の離婚経験に着目すると、50代は13.3%、60代は12.9%と女性より少ない。また、50~60代の現在独身の男性の半数以上がこれまでに結婚したことがなかった。
加えて、「離婚可能性あり」と回答した人は、男女ともに約15%。「どちらともいえない」という回答も男女ともに約17%。一般的に「3組に1組が離婚する」と言われているが、それをデータが証明していた。
ではなぜ離婚するのか。男性側から離婚する理由を見てみると、令和5年度版司法統計のデータによると、家裁への離婚申し立て理由の1位は男女ともに「性格があわない」(男性9103件、女性1万5838件)。男性側からの申し立て理由の2位は「異性関係」(1817件)、3位は「浪費する」(1748件)、4位「性的不調和」(1592件)、5位「暴力をふるう」(1320件)となっている。ちなみに女性側からの申し立て理由の2位は「暴力をふるう」(7711件)、3位は「異性関係」(5362件)だ。もちろん理由は様々な要因が重なるわけで、「該当する3つまで選択可能」となっている。
キャリア10年以上、3000件以上の調査実績がある私立探偵・山村佳子さんは「DVや経済DV、モラハラの被害は女性に多いですが、男性にも被害者はいます。彼の多くが声を上げられず、自分一人で抱え込み、苦しんでいることが多いです」と語る。
彼女は浮気調査に定評がある「リッツ横浜探偵社」の代表だ。調査後の依頼者のケアまで行う山村氏の調査はまさに「現代家族の肖像」でもある。
今回山村さんのところに相談にきたのは、40歳の地方公務員の男性だ。「妻が妊娠したのですが、私の子ではありません」と山村さんに窮状を訴えてきたのだ。それはどういうことなのだろうか。
山村佳子
私立探偵、夫婦カウンセラー、探偵。JADP認定 メンタル心理アドバイザー JADP認定 夫婦カウンセラー。神奈川県横浜市で生まれ育つ。フェリス女学院大学在学中から、探偵の仕事を開始。卒業後は化粧品メーカーなどに勤務。2013年に5年間の修行を経て、リッツ横浜探偵社を設立。豊富な調査とカウンセリングを持女性探偵として注目を集める。テレビやWEB連載など様々なメディアで活躍している。
リッツ横浜探偵社:https://ritztantei.com/
今回の依頼者は、40歳の地方公務員・太朗さん。35歳の妻とは結婚して5年。専業主婦の妻から妊娠を告げられたことで、私たちに相談の連絡が来ました。
最初に連絡をしてくだった時に、かなり取り乱しており、「なにもかも受け入れるのは、もう限界なんです」とおっしゃっていました。
そして、私たちのカウンセリングルームに来て、現状を話そうとすると、言葉が出てこず過呼吸のような状態になってしまう。これは相当、妻に支配されていると感じました。
「大丈夫ですよ。よく私たちに相談してくださって……大変でしたね」と言うと、「はい」と言いながら、5分程度泣いておられました。
男性は「泣くな!」「男らしくしろ!」などと、苦しいことがあっても我慢するように育てられている人が多く、苦しさの歴史のようなものを感じてしまいました。
まずは、なれそめから伺いました。
「妻は居酒屋さんの隣の席にいた人なんです。私は容姿が女性に好まれるようなところがあり、妻から声をかけてきました」
太朗さんは小さな顔、黒目勝ちの目、白くて陶器のような肌に、すらりと長い手足と人目を引く容姿をしています。現在もモデルのスカウトもされるとか。
「ただ、人前に出るのも目立つのも嫌いです。学生時代はこの容姿のせいでいじめに遭いました。芸能人になりたいという希望がなければ、こんな容姿は不要なのです」
太朗さんはその美しい容姿ゆえ、痴漢など性的被害、恋愛トラブルは日常茶飯事だったといいます。でも「男なのだから我慢しなさい」「男のあなたがしっかりしないからだ」と言われ続けたといいます。
「早く落ち着きたいと思っていたので、最初の結婚は大学卒業後すぐの22歳と早かったです。相手は7歳年上の先輩でした。すぐに息子が生まれたのですが、3歳のときに元妻が一方的に離婚を切り出してきたのです。息子を私に預け、男性と駆け落ちしてしまった」
3歳の息子は、両親や姉とともに育ててきたと言います。
「仕事も地方公務員なので職場も協力的でした。10年近く息子と2人で生活していたのですが、いまの妻に出会ってしまった。離婚してからも恋人がいたことはあったのですが、当時の妻はひときわ輝いていた。サバサバしていて、女っぽくない。それでいて、外資系の金融関連会社に勤務するエリートと言っており、とても眩しかったんです」
太朗さんは自分より立場が上の女性に恋心を抱く傾向があるようです。妻のアプローチに乗っかるような形で交際がスタート。1年の交際期間中に何度も「結婚してほしい」と言われたそうです。ただ、太朗さんは慎重だった。でも、当時、小学5年生だった息子が「あの人、いいね」と言ってくれて、「これならば」と再婚に踏み切ったそうです。
「結婚してから、彼女の経歴がウソだらけだとわかったんです。外資系に勤務しておらず、実際は裕福な実家で遊び暮らしていたこと、人間関係にトラブルが多く、友達が少ないことなどです。ウソをついていても、それが本当だと思い込んでいるから、だまされてしまったんです」
おそらく妻は、いわゆる「サイコパス」と呼ばれるタイプではないかと思われました。交際しているときはうわべを取り繕っても、家族になるとメッキが剥げてしまいます。
「当然、専業主婦になるのですが、家事をしないから汚部屋になる。文句を言うと、実家に行き、帰ってこなくなる。息子に対してもびっくりするほど優しい時もあれば、冷淡なときもある。息子は私の実家に泊まりに行くことが増えました」
太朗さんの話を聞いても、年上の男性を意のままに動かして、人生の大決断・結婚をさせるという「ゲーム」を楽しんでいたようにすら感じてしまいます。
「はい。まさにそうなんです。僕に“愛している、あなたを幸せにしたい”と何度も言うので、コロッと騙されてしまった。離婚を切り出すと、“こんなに愛しているのに”と僕に抱き着いてくるんです。妻には話していませんでしたが、私は前の離婚時に、いわゆるパイプカット(性管切除)をしており、妊娠はほぼ100%しないんです。子供の話が出たら話そうと思っていました」
それなのに、数カ月前に妻から「妊娠した」と言われたといいます。
「つまり、別の男との子供ってことです。これを機に離婚をしたいんです。妻は家事を放棄し、息子に慈愛深い母親の顔をすることもあれば、存在そのものを無視することもある。息子も高校生なので妻の本性を見抜き、近寄らなくなっています」
妻は、自分中心どころか「自分だけ」の性格。離婚はしたいけれど、財産分与や被害者面して慰謝料を請求されては困るそうです。
「これは2年前から思っていたことなんです。2年前、息子がコロナに感染し、高熱が続いたことがあったんです。私は必死で看病をしていたのですが、妻は“怖いから”とノータッチ。
しかも、“これで死んだら、邪魔者がいなくなるね”と私に言ったのです。それ以来、妻を恐ろしく感じ続けています」
太朗さんの性格から、妻にはっきりした態度を取らず、やんわりと家庭内別居をしているのではないかと推測しました。
「その通りです。何もしないくせに、生活費の15万円はきっちり請求してくる。それでも足りないと実家に行く。今思えば、連れ子がいる私が結婚の挨拶をしに行った時に、“よく娘と結婚してくれた”と大喜びしていたんです。義両親にすれば面倒な娘の押し付け先を決めて、安心したんだと思います。でも、もう実家に返したい。我慢の限界です」
◇太朗さんが疑っていることはまだわかっていない美形妻。結婚する前にパイプカットのことを言えずにいたことも太朗さんが妻を信じるまでに時間がかかったことを示しているが、「絶対妊娠するはずがない」その浮気相手はどんな人なのか。そして妻はどうするつもりなのか……。
衝撃の現実は後編「妊娠するはずないのに妊娠した超美形妻「息するようにウソをつく」驚愕の本性」にて詳しくお伝えする。
妊娠するはずないのに妊娠した超美形妻「息するようにウソをつく」驚愕の本性