佐賀県は29日、県発注の道路改良工事の試算ミスを放置したまま工事契約を締結し、請負業者に約900万円の損害を与える不適正な事務処理をしたとして、県土整備部係長級の40代男性職員を戒告処分としたと発表した。
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県によると、男性職員は2022年度発注の道路改良工事で、24年3月の工事完了後に7868万1900円で工事の変更契約を締結。しかし実際は誤った数量で試算しており、実績額は8768万7600円だった。
業者からの指摘で試算ミスに気づいたが、「次年度に発注する工事で対応する」と説明し、そのまま契約を締結していた。「予算内で処理するしかないと思っていた」と話しているという。
5月に業者が職員の上司に相談し、発覚。県は損害賠償額900万5700円を計上した補正予算案を県議会9月定例会に提出する。上司の課長級、副課長級、係長級の職員3人を文書訓戒とした。
泉智徳総務部長は「県民の信頼を大きく損ねる行為で誠に遺憾。県民に深くおわび申し上げる」とのコメントを出した。【五十嵐隆浩】