社会に出てからも実家の子供部屋に住み続け、両親へは1円も渡したことがない。仕事は保険会社の正社員。年収は500万円を超えている……。自称・最強の子供部屋おじさんと豪語する、財前光希さん(33歳、仮名=以下同)の経歴やアプリを始めた経緯、使用したプロフィール情報については、前編記事〈33歳「子供部屋おじさん」はマッチングアプリで彼女ができるのか?盛らずに書いた「プロフィール」と「年収」の中身〉で紹介した。
本稿では財前さんに、1ヶ月間ほど取り組んだアプリの成果について聞いていく。
聞き手:佐藤大輝(一人暮らし歴15年目)
ーーマッチングアプリを1ヶ月間やってみて、手応えと感想について教えてください。
素直な感想は、「ちょっと疲れちゃったな」です。一生懸命「いいね」を送っても、全然マッチングしません。1ヶ月間で計130人の女性に「いいね」を送ったのですが、マッチングに成功したのは4名のみ。つまり約97%の確率で無視されました。
マッチした4名の女性へも、メッセージを送ってるのに返信が来ないんです。
「マッチングありがとうございます。こうきです。もしよければ色々お話を聞かせてください。**さんは**がお好きなんですか?」といった内容で送ったのですが、返信率は0%。誰一人としてコミュニケーションを取ってくれませんでした。
ーーそれは残念でしたね。ちなみに「いいね」を送った相手の年齢層はどれくらいだったのですか?
僕が「いいね」を送った女性は、そのほとんどが同年代です。30~35歳だったと記憶してます。20代の女性へ送った「いいね」は、両手で数えられる程度です。つまり年齢差のギャップは少ないはずなんです。にもかかわらず「ちょっと話だけでも聞いてみようかな」といったスタートラインにすら立てなかった……屈辱の味がしましたよ。
ーー女性側から「いいね」が送られてきた総数についても教えてください。
1ヶ月間アプリをやって計15「いいね」です。ところがどっこい。たった1名(20代・離婚歴アリ・子持ち)を除いて、どう考えても怪しい女性からしか「いいね」が送られてきませんでした。一言で表現すると、女性側がハイスペック過ぎる。モデルのように美人だったり、職業は経営者だったり……設定年収が1000万円の女性もいました。
ーーそれはちょっと怪しいかもしれませんね。
もしかしたら全員、業者(宗教やマルチ商法の勧誘など、本来の恋活目的とは異なる目的で活動する人たち)だった可能性もあるのかなって。実際、僕に好意を示した計15名の女性の内、計10名が僕に「いいね」を送信後、2週間以内にアカウントが削除されていました。削除されていない女性も、ログイン履歴が確認できない状態が続いてました(※マッチングアプリでは気になる異性が「24時間以内」「1週間以内」など、いつログインしたのかが開示されている)。
ーーそれは大変でしたね。
今はもうアプリを退会しています。ちなみに今回僕が「いいね」を送った女性の居住形態は、一人暮らし約70%。実家暮らし+その他が約30%でした。居住形態は意識せずに「いいね」を送っていましたが、このような結果になりました。
ーーところで財前さんは結婚願望ってあるのですか?
無くは無いと思うんですが……。もし本気で結婚したいと願っていたら、僕の性格上、お金を払って結婚相談所に入会していると思うんです。現状維持を選んでいるってことは、そんなに前向きじゃないのかなって。たまに佐藤さん(この記事のライター)が書いたマネー現代の記事を読むんですけど、子供一人育てるのに学費と養育費で、だいたい3000万円くらい必要なんですよね? 大学卒業まで、平均で毎年約130万円の出費……。僕の昨年の年間旅費は約200万円で、今年も同じくらいになりそうなので、節約すればイケるのかもしれませんが……。
ーー財前さん、今は0円かもしれませんが、家賃が発生することを忘れてますよ……。
過去、私が財前さんの取材記事をマネー現代に掲載した際、ネットには「子供部屋おじさん」を擁護するコメントが相次いだ。
具体的には「人様の家庭に口を出すな」「不動産業界の策略にはまらない実家暮らしは賢い」「介護に空き家、防犯の問題など、子供がいてくれた方が親も助かるのではないか」といった意見が目立ち、とどのつまり実家住みのメリット(特に経済面)が強調されていた。
けれど本記事で紹介した財前さんの結果から考えるに、恋愛市場に限って言えば、もしかしたら実家住みにもデメリットがあるのかもしれない。
実際、過去に寄せられたコメントの中には「恋愛するには不便」「結婚対象として見れない」といった意見が散見された。これから恋活あるいは婚活を始めようと考えている、実家暮らし社会人の方は参考にしてほしい。
実家暮らしは恋愛に不便か?32歳・自称「最強の子供部屋おじさん」が明かす恋愛事情