逆子の胎児を回転させる処置を受けた京都府内在住の母親(36)が、不適切な処置によって生まれた男児(3)に重度の障害が残ったとして、京都第一赤十字病院(京都市東山区)の産婦人科に勤務していた男性医師を業務上過失致傷容疑で府警に刑事告訴し、府警が16日、告訴状を受理した。
告訴状によると、母親は2020年12月、腹部を押すなどして逆子の胎児を回転させる「外回転術」を2度にわたって受け、胎児が低酸素状態となったにもかかわらず、男性医師は緊急帝王切開など適切な処置を怠ったとしている。男性医師は現在、別の病院に勤務しているという。
母親は施術の2日後、別の医師による帝王切開で男児を出産したが、男児には四肢のまひなど重度の障害が残り、現在も介護が必要な状態が続いている。母親は「医師が自分だけの判断で処置を進めたことが、医療事故につながった」と訴えている。
京都第一赤十字病院は「医療過誤が発生したことは事実で、再発防止に努めている。ご家族と話し合いをしているところで、これ以上のコメントは控える」としている。