25日に激しい雨が山形県を襲い、各地で川の氾濫や洪水、土砂災害が発生した。災害の中、人々が撮影してSNSに投稿された映像には、生死を分けた瞬間が記録されていた。
25日夜の山形・酒田市では激しい雨に加え、稲光で空が何度も明るくなった。
さらに26日午前には道路が崩落している様子が確認され、排水管などがむき出しになって反対側に渡ることができない状況となっている。
山形県を襲った、数十年に一度の大雨。SNS上には、その時何が起きていたのかが記録されていた。
新庄市で25日午後11時過ぎに撮影された映像では、暗闇の中、わずかな明かりを頼りに冠水した道を移動し、撮影者が夫とともに子ども5人を連れて、親族の家へと避難する様子が映っている。
街灯付近に差しかかると、雨の激しさが見てとれる。
用水路からは濁流があふれ出し、周囲を照らすように稲光が見え、非常に危険な状況だったことがわかる。
なぜ、こんな状況の中で避難しなければならなかったのか。
撮影した人に聞くと、「市役所から電話が来て、(団地)1階の人たちだけ避難を促された。子どもを背負って避難という形をとっていたところでした」ということで、市から避難要請が出た時、すでに団地1階には雨水が階段の2段目あたりまで迫っていたという。
撮影者は「(子どもが)5人いまして、一番上が小学校4年生で、一番下が2歳。主人と2人で避難していても、2往復は必然的になってしまっていた。普段遊んでいる公園とかが全部水びたしだったので怖かった」と当時を振り返った。
避難のため、親族のもとへ向かう道。普段ののどかな風景は一変していた。
一夜明けた26日昼過ぎ、安全が確認された自宅へ帰宅。子どもたちは「寝ている時に死んじゃうかと思って、あまり寝られなかった」、「寒かったし怖かった」と話していた。
一方、26日午前8時半ごろの山形・最上町。濁流と化した最上小国川では、川沿いの柵があふれた水で壊され、流れ着いた草木で覆われていた。
撮影した地元の消防隊員は「消防隊員の方に『つり橋がなくなっている』という情報は(夜中に)入っていた。明るくなってから現場確認に行ったという状況です」と説明する。
川の氾濫前の写真を確認すると、確かに赤いつり橋がある。
橋の高さは、川から5~6メートルほど。それが、今回の大雨の影響で、土台だけ残して橋が流された。
初代は2018年8月の豪雨で崩落。2023年7月にできたばかりの、2代目のつり橋だった。
さらに、そこから車で5分ほどの場所で目撃されたのが、大規模な土砂災害。一帯に土砂が流れ込み、どこに道路があったのかわからない状態になっていた。
地元の消防隊員は、「人的被害は幸いなかったんですけれども、ちょっと残念ながら、駐車していた車が2台巻き込まれて壊れてしまっている」と話す。
災害の中、人々が撮影した映像には、生死を分けた瞬間が記録されていた。(「イット!」 7月26日放送より)