「さっき非通知で明らかにサギの電話かかってきて――」
【写真】詐欺電話を撃退した一言とは
シンガーソングライターの鈴木何某(すずき・なにがし)さん(@nanigashisuzuki)が、突然詐欺電話がかかってきたというエピソードをX(旧Twitter)に紹介。10万近くのいいねが付く話題になりました。
2024年6月某日、朝9時ちょうど。
仕事中の鈴木何某さんのスマホに突然、非通知での着信がありました。普段は非通知には出ない鈴木何某さんですが、その時はなぜか電話を取ってしまったそうです。
『〇〇さんのお電話でお間違いないでしょうか』
電話の相手から、本名をフルネームで言われ驚いてしまいます。相手は『大阪府警の工藤』と自己紹介し、『捜査協力していただきたくお電話したのですが――』と話しだしました。しかし、話を聞いているうちに、鈴木何某さんは徐々に相手のことを怪しいと思うようになりました。
「緊張していたのか新入りだったからなのかわかりませんが、警察だと名乗ったあたりから咳払いがすごいし、原稿らしきものを読んでる喋り方だったので、すぐにおかしいと思いました」(鈴木何某さん)
非通知電話に思わず出てしまったものの、すぐに怪しいと感じた鈴木何某さん。
『機密事項なので周りに誰もいない場所へ移動してください』
電話口の相手はこのように要求してきます。ここで、鈴木何某さんは咄嗟に次のように言いました。
「 せ や か て 工 藤 」
せやかて工藤――漫画・アニメファンの方のみならず、多くの方に聞き覚えがある言葉ではないでしょうか。そう、青山剛昌氏による人気漫画『名探偵コナン』で、主人公・江戸川コナン(工藤新一)に対し、西の名探偵・服部平次が言うセリフ。
「“非通知電話”から『事件』、“大阪・警察・工藤”という言葉から、『名探偵コナンの服部平次』を瞬時に連想し、『仕事中にわけわからん電話かけやがって』というイラつきもあって、おちょくってやりたいという気持ちが瞬時に生まれたのだと思います」
この言葉を発した理由について、そのように答える鈴木何某さん。
その結果、相手に「食い気味に電話を切られてしまった」といいます。「真実はいつもひとつ!」という正義への信念には、敵わなかったのかもしれませんね。
とっさの機転から出た一言で、見事詐欺電話を撃退した鈴木何某さん。Xのリプ欄にも多くの反響がありました。
「見事に詐欺を撃退しましたね」「黒の組織かな?」「コナンのわかる詐欺師でよかった!」「相手がコナンファンで吹いたのかもしれない」
しかし、今回は騙されずに済んだ形にはなったものの、「もっと喋りが上手な人からの電話だったらマズかったなと思いました」とも鈴木何某さんは語ります。
実際、電話口でフルネームを言われた際、鈴木何某さんは相手の話を聞いてしまう態勢になりかけたといいます。現代社会では、ネット等で個人情報を入力する機会も多く、どこかからその情報が漏れださないとも限りません。そして、それを詐欺グループが利用する可能性も十分にあります。
「便利な世の中になる一方で、なくならないことだということは理解しているつもりですが、悪事は悪事なので許してはならないとも思います」(鈴木何某さん)
以前にも、まいどなニュースでは「ウサギの折り紙『うっ、詐欺!?』電話の横に置いて被害防止を 千葉県の交番による可愛いアイデア」という記事で、電話による詐欺被害について取り上げました。
この時は、取材先の方(その方もミュージシャンでした)のご両親が、電話の相手から「宝くじの当選番号を教える」と言われ、お金を騙し取られそうになりました。宝くじの当選番号を教えるなど、普通に考えてあり得ない話ではありますが、ご両親は相手の巧妙な話に騙され、一時はすっかり信じ込んでいたといいます。
卑劣な詐欺の手口に私たちも騙されないよう、日頃から気をつけておくことが大切でしょう。鈴木何某さんも今後の対策について、「非通知の電話には出ない。出てしまったとしても、会話せずに切る」と話されています。
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自身の体験を通じて、詐欺電話への警鐘を鳴らしてくれた鈴木何某さん。「サギはサギでも、母への思いを歌った『蒼鷺(あおさぎ)』という楽曲をリリースしています」とのことです。
「ご自身のお母さんのことを思うキッカケになったら嬉しいとは思いますが、恋しくなって連絡する時はくれぐれも『通知』して電話してください」(鈴木何某さん)
(まいどなニュース/Lmaga.jpニュース特約・竹中 友一(RinToris))