高齢者がシニアカーに乗り、道路を走行する危険な運転が各地で相次いでいる。
兵庫・西宮市で6月18日の午後2時半、車の助手席から撮影された映像に映っていたのは、交通量の多い道路の右折レーンをシニアカーがゆっくりと進んでいく様子。
車を運転していた女性は、「買い物帰りに車で走っていたら、車道を走るシニアカーが突然現れまして、右折しようとされているっていう状況でした」と当時の状況を振り返る。なお、運転している紫色の上着を着た人物は、前の車に近づいていき、その後右折したという。
シニアカーが走っていたのは、阪神電鉄の今津駅から約600m離れた場所。目撃者:一番は「怖い」でした。本当に怖かったです。ドキドキが止まらなかったです。(車の)運転者もシニアカー乗っている方も、事故を起こさないように運転できたらっていう感じ。
シニアカーによる危険な運転は他にもあった。
栃木・鹿沼市では、雨が降る中、車道の真ん中をシニアカーがゆっくりと進んでいく。運転しているのは黒い上着を着た男性。傘をさしているためか、後ろの車には気づいていない様子。
さらに、福岡・北九州市では、信号が赤にもかかわらず交差点に侵入するシニアカーも目撃された。すぐそばを車が次々と通り過ぎて行き、非常に危険な運転だ。
こういったシニアカーによる危険な運転が相次いでいる理由について、専門家はこう話している。
交通事故鑑定人 中島博史さん:もう完全に車だと思って運転してしまってます。座って四輪の乗り物だから、自動車と同じように走ればいいと考えてしまっている可能性がある。
シニアカーは道路交通法上、歩行者扱いとなっているため、歩道を走行しなければならない。中島さんは「危険な運転をしているシニアカーを目撃した時は、速やかに警察に通報することが望ましい」としている。(「イット!」6月27日放送分より)