1年に1回くじ引きで役員決めをしたり、平日に学校に呼び出され、何時間も会議をしたりと、避けられることが多いPTA。
【映像】PTAの役割を“外注”するといくらかかる?
保護者と学校が協力して子どもをサポートするための組織のはずだが、経験者からは…
「ベルマークの集計を1点2点とやって、まだアナログだったので電卓使った」(PTA経験者A)
「役員さんとか先生方にお茶出しがあって、その際もミルクがいる、砂糖がいらないなど面倒くさく『え、そんなことまでするの?』という驚きがあった。いらないものも確かにあるような気がする」(PTA経験者B)
業務を負担に感じる人も多く、保護者の中でもしばしば廃止を求める声が上がっている。
PTAの負担を減らそうと、東京・世田谷区の小学校の運動会では今年から新たな取り組みが行われた。
青い帽子に水色の服装のこちらの男性は警備会社から派遣された警備員だ。この学校ではこれまで運動会のパトロールを保護者で担っていたのだが、今年は外部に委託したのだ。
毎年、PTA役員の仕事だった学校周辺の警備。常時6人程度を配置し、36人が交代で担当していた。
これに対し保護者からは「子どもの学年を配慮してシフトを組むなど大変だった。警備もだが、依頼するための細々とした作業、連絡などにも気をつかっていた」「運動会のパトロールは『自分の子どもが見られないかもしれない』とか、役割がたくさんあるのは嫌かなというイメージがあった」などの声が。
こうした動きは全国に広がっている。1800校の登録があるPTAの代行業者には依頼が殺到。問い合せは去年の2倍に増えている。
PTA専用支援サービス「ピータス」増島佐和子代表は「みなさんはコロナ禍に期せずして各PTA業務の棚卸を行った。お子さんがいる家庭の過半数は共働きだ。昔のように平日に当たり前のように学校に集まるなどは難しい」と実情を語った。
外部に委託したことで、PTA役員も余裕をもって子どもの競技を見ることができた様子。
今回の世田谷区の小学校の運動会の場合、警備員1名で費用はおよそ2万円(あさ8時~11時半)。他には、カメラ撮影や受付・清掃などの依頼があるという。
PTA代行の満足度はどの程度か?
「専門の方という安心感があり、人数もそこまで必要なく、満足度は120%だ。学校とともに『子どものためにやったほうがいいこと』は残す。それによってPTAの役割が透明化され、保護者からも敬遠されないPTAになり、一人ひとりに負担がいかないようなPTAに出来たらいい」(山崎小PTA中谷美千代副会長)
※これはテレビ朝日「グッド!モーニング」で放送した内容をABEMA TIMES編集部で記事化したものです。