眼前に広がるエーゲ海を眺められながら、プリンセスの胸中にはいかなる思いが去来したのだろうか。ギリシャを公式訪問された秋篠宮家の次女・佳子さま(29)。目下、「お相手候補」として旧華族の名が浮上し、ご身辺はにわかに慌ただしくなっているのだが……。【前後編の後編】
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ギリシャの公式訪問から帰国された佳子さま。にわかに高まっているのが「ご結婚」の気運である。
あらためて振り返っておくと、さる4月13日、旧華族の親睦団体である「霞会館」で名門・島津家の私的会合「錦江会」が開かれ、上皇ご夫妻、秋篠宮ご夫妻とともに佳子さまもお忍びでご出席。これが“お見合い”“婚活”などとクローズアップされるに至ったのである。
鎌倉時代に発祥した島津家は代々薩摩の地を領有し、明治になって公爵に列せられている。皇室との縁も深く、昭和天皇の后である香淳皇后の母親は、本家の第29代当主である忠義の娘にあたり、また上皇さまの妹・貴子さんは1960年、分家の「佐土原島津家」に連なる久永氏と結婚している。こうしたつながりもあり、上皇さまはご在位中から「錦江会」に出席なさってきたのだが、4月に佳子さまが同行されたのは、他ならぬ上皇后さまのおぼしめしだったという。宮内庁関係者によれば、
「皇室から出ていきたい一心で周囲の声にも耳を傾けず、21年秋に小室圭さんとの結婚を強行してしまった姉の眞子さんに、佳子さまはひたすら寄り添ってこられました。眞子さんの件がきっかけでご両親との間の溝が深まってしまったわけですが、近頃は、ニューヨークの姉夫婦の近況をご覧になるにつけ、『姉は果たして幸せなのだろうか』といったお気持ちが徐々に沸き起こっておられるのです」
すなわち、
「国民から祝福されないまま駆け落ちのような形で米国へ飛び出し、また皇室の儀式を経なかったことで、結果として陛下のお気持ちをも煩わせてしまった。ここにきて佳子さまは、内親王というお立場の重みを実感なさっており、『私の結婚は、せめて国民に納得してもらえるものでなければ』との思いを強くされているのです」(同)
そのためには何をなすべきか――あれこれ思いを巡らされるお姿を案じられた上皇后さまが、御自ら「有力な選択肢」を示されたというのだ。霞会館のさる関係者が言う。
「島津家といえば、篤姫の養父としても知られる幕末の名君・斉彬(なりあきら・28代当主)が有名です。その斉彬の異母弟で、香淳皇后の曾祖父にあたる久光が明治初期に興した分家『玉里島津家』が、現在取り沙汰されているご一家。こちらの末裔(まつえい)に、佳子さまより1歳年上の男性がいるのです」
件の男性は初等科から大学まで学習院に学び、16年に法学部を卒業してメガバンクに就職。現在は本社で顧客の資産運用業務に携わっており、行内では丁寧な物腰が身上の温厚な人物として通っているという。
「今年は、霞会館の前身である華族会館が創立されて150周年。6月1日には、その記念式典と祝賀会が、皇居お濠端の東京會舘で大々的に催されました。もちろん島津家からも、複数人が出席しました。ただし当日は佳子さまがギリシャから帰国され、また秋篠宮ご夫妻も第35回全国『みどりの愛護』のつどいで和歌山を訪問されており、いずれもご出席はかないませんでした」(同)
それでも、
「大切な節目の年にあたるため、先々のスケジュールを見越された上で、4月13日にはそろって島津家の会合に“繰り上げ出席”なさったというわけです」(同)
秋篠宮家のお三方とは別に、当日は天皇皇后両陛下が出席されたというから島津家との“ご縁”はいっそう注目を集めることになろう。加えて、「分別」を取り戻されつつある佳子さまが、内親王にふさわしいお相手と添い遂げられることになれば、国民にとって無上の喜びであるのは論を俟(ま)たない。ところが目下、そんな機運に、あらぬ場所から「異議」が唱えられているという。前出の霞会館関係者が明かす。
「当の島津家側の一部の親族から、この縁組に強く反対する声が出ているのです。それは“佳子さまはともかく、結婚すれば小室家とも縁続きになってしまう。それだけはどうしても避けたい”というものです。一連の小室さん母子の振る舞いについては霞会館でも問題視されており、そもそも眞子さんとの結婚が延期となった時期には、皇室内でも複数の女性皇族方から『あのような家と縁戚になるのでしょうか』などと危惧なさる声が上がっていたのだから、無理もありません」
さらに続けて、
「島津家側では、佳子さまとの“縁談”から身をかわすため、お相手に擬せられている男性について『(本人に)いっそ婚活を勧めてはどうか』という意見も出ているほどです」(同)
せっかく萌え出つつある義妹の“幸せの芽”をも摘み取ろうというのだから、小室さんの魔力たるや人知の及ぶところではない。今回浮上した「温厚なメガバンカー」は大学時代、ゴルフ部に所属。現在もOB会や学習院の同窓会で役職を務めるなど堅実さや面倒見のよさがうかがえ、まさしく小室さんとは正反対の人柄と言っても過言ではないのだ。
平日の朝、スーツ姿で最寄り駅へと向かうご本人に声をかけると、
「本当に何もありません。(佳子さまとは)お付き合いしていないので……」
――佳子さまと面識は。
「学習院時代はあります。最後にお会いしたのは学生時代で、就職してからはありません。ゴルフをしたこともありません」
――お名前が浮上していることについては。
「家族も私も“まあ仕方がないかな”というふうに思っておりますが」
――佳子さまの印象は。
「特別、何かあるということはありません……」
硬い表情ながらも、終始穏やかな口調で、そう口にしたのだった。
皇室解説者の山下晋司氏が言う。
「佳子内親王殿下が皇室とは関係のない人と恋愛の末に結婚されることに何の問題もありませんが、社会の目を踏まえれば、元内親王とともに人生を送ろうという相手と出会うのは難しいでしょう。その点、五摂家や大(だい)大名家の末裔の人であれば、一般国民でありながら元皇族と同じように社会から特別な目で見られてきたでしょうから、お互いの立場を理解しやすいでしょう。できるだけ価値観が近い人と結婚なさったほうが、佳子内親王殿下は今後の人生を送りやすくなるのではないかと思います」
前編では、佳子さまのギリシャご訪問の内容と、寄せられた心無いコメントなどについて報じている。
「週刊新潮」2024年6月6日号 掲載