写真・JMPA
6月26日、貧困問題に取り組む認定NPO法人「キッズドア」(東京)が記者会見し、困窮世帯へのアンケート結果を公表した。
小中学生のいる世帯の計60%が、子どもの夏休みを負担に感じ、「なくてよい」「今より短い方がよい」と考えていることを明らかにした。理由は「子どもが家にいると生活費がかかる」が最多だった。
調査は、5月下旬から6月上旬にインターネットで実施。小中学生がいる約1400世帯が回答した。
夏休みは「なくてよい」が13%、「今より短い方がよい」は47%だった。理由を複数回答で尋ねると、「生活費がかかる」が最多の78%。「給食がなく、昼食準備に手間や時間がかかる」が76%。「特別な経験をさせる経済的余裕がない」が74%。「給食がなく、必要な栄養がとれない」が68%と続いた。
夏休みは学校の給食がなく、自宅で食事を用意する必要がある。また、暑さが厳しくなるなか、エアコンの使用で光熱費がかかることも背景にある。
「青汁王子」こと実業家の三崎優太氏は翌27日、自身の「X」にこう書きこんだ。
《子どもが家にいると生活費がかかるって理由で夏休みを廃止して欲しい人達がいる。困窮世帯においては60%以上もそう思っているらしい。どれくらい生活苦で疲弊しているかを如実に表していると思う。給食がない時期は、生活費がかかるから夏休みすらいらないなんて、こんな悲しいことありますか?》
本来なら、子どもにとって待ち遠しいはずの夏休み。だが、廃止や短縮を求める声が60%に達していることに、Xでも衝撃が広がっている。
《もうオシマイだよ、この国…70兆(≒過去最高)も税収があるのに、保護者が夏休みの子どもの食事や光熱費にさえ困ってるって…どう考えても政治が悪い》
《なんでこんな悲しい国になってんの?》
《夏休み廃止て…子どもの楽しみとか、酷暑の通学リスクよりも、生活の苦しさが勝ってしまうなんて悲しすぎるだろ》
さらに、岸田首相への批判も広がった。
《岸田、これが現実だよ 子育て世代を苦しめといいて、何が少子化対策だよ》
《お前のメガネには何が映ってるねん 国会でソファにふんぞり返ってヘラヘラしやがって》
2023年度の国の税収は、70兆円を超え、2022年度に続き、2年連続で70兆円の大台を突破する見通しだ。岸田文雄首相は今秋に向けて経済対策を策定する方針だが、まずは夏休みをどう乗り切るかに目を向けてほしいものだ。