育休を取るなら2歳まで延長したい――。民間企業のアンケート調査では、多くの女性がそうした希望を持つことが判明した。育児休業は原則1歳までだが、延長する目的でわざと人気の高い保育所に申し込む「落選狙い」が議論の対象となっている。2025年4月から国が手続きの厳格化に乗り出す中、理想と現実のギャップが浮き彫りになった。
「落選狙い」は悪ですか? 育休延長厳格化へ、憂鬱は親だけでなく
調査は人材サービス会社「ビースタイル」(東京)の調査機関「しゅふJOB総研」が24年1月、会員の女性約600人を対象に実施した。
育休を取るとしたら2歳まで延長したいか尋ねたところ、「保活(保育所確保のための活動)の結果に関係なく思う」が35%、「保活がうまくいかなければ思う」が27%で、計62%が延長したいと答えた。
延長目的の「落選狙い」について、64%が「落選しなければ延長できないルールが問題」だと回答。一方で37%は「本当に保育所に入りたい人に迷惑をかけている」と批判的な意見もあった。
自由記述でも「大切な時期に仕事をしなければいけないことに疑問」(50代)と延長に理解を示す声もあれば、「会社にも迷惑かけてひきょうな考え」(30代)と賛否が分かれた。
総研研究顧問の川上敬太郎さんは「落選狙いが起きてしまうルールの修正が求められる。個々の希望にできる限り寄り添えるよう仕事と育児を両立しやすくするための総合的な取り組みが必要だ」とコメントした。【芝村侑美】