客の迷惑行為を受けるカスタマーハラスメント、いわゆる「カスハラ」が今、様々な業種で問題となっています。
これは実際に会計ソフト会社のカスタマーセンターに掛かってきた音声です。聞くに堪えないほどの罵詈(ばり)雑言で、対応は43分にも及んだといいます。
客から理不尽な迷惑行為を受けるカスタマーハラスメント、いわゆる「カスハラ」が今、社会問題となっています。
カスハラに悩まされている愛知県のタクシー会社では…。
夜の繁華街から乗り込んできた1人の男性客は、相当酔っているのか、目的地を言いません。
運転手に暴言や高圧的な態度をとる客。目的地に到着すると、運転手にお札を投げつけます。
客の行為は、徐々にエスカレートしていきます。
助手席を足で蹴り、さらに外に向かってつばを吐きます。運転手は警察に通報しますが、客は笑いながら運転手を蹴ります。
すると、恐怖を感じ、逃げる運転手を付け回すような嫌がらせも…。
客は最後には、運転手の顔につばをかけます。
こうしたカスハラを理由に、退職する若手社員も多いといいます。
ほかにも、女性運転手が1人の男性客を乗せて走行していると、「走行ルートが指示通りではない」と主張する客がいます。
すると、持っていた財布をたたきつけます。
乗車からおよそ5分後、目的地に到着すると、再び財布をたたきつけ、指示を出す客。持っていた荷物を置いたまま、一度降りていきます。
指示通りタクシーを移動させ、待つこと約2分。再び戻ってくると…。
エスカレートする客を、別の男性が必死になだめています。
料金を支払い、客は降りていきましたが、ショックを受けたのか、女性運転手はハンカチで涙を拭います。それでも、客を見送りに外へと出ますが、しばらく涙は止まりませんでした。
つばめグループでは、3年前に運送約款の内容を変更しました。カスハラなどの行為をした客に対して継続乗車を断ることや、損害賠償もしくは慰謝料を請求する可能性もあるということです。
カスハラは、様々な業種に及んでいます。
弁当店では、酔った客が店員に向かって暴言や、現金を投げつける悪質な行為も。
身も心もリフレッシュするはずの温泉地でもカスハラの被害が起こっています。
チェックインのおよそ30分前、午後2時半ごろ。温泉旅館のロビーに設置された防犯カメラの映像です。
この旅館では、午後3時のチェックインより前に到着した際は車で待つように案内していますが、客が激怒しました。
旅館側に土下座を要求します。
なかなか怒りが収まらず、仕方なく専務が土下座に応じました。対応は30分にも及び、客は宿泊せず帰ることになりました。
最後に、こんな捨て台詞を残していきました。
当時、客の対応にあたった湯守田中屋の田中佑治専務取締役は、次のように振り返ります。
去年12月、旅館業法が改正され、迷惑客の宿泊を拒否できるようになったのを機に、湯守田中屋では新たな対策を採りました。
ホームページには、宿泊拒否できるケースとして、「土下座などの社会的相当性を欠く方法で謝罪を求めること」など、6つの具体例が明記されています。さらに、カスハラ対策のため、防犯カメラを5台以上に増やしたといいます。
従業員に対する暴言は、こんな所にも。都内の退職代行業者「モームリ」では、毎日のように暴言的な言葉を浴びせられるといいます。
そんなスタッフたちの心の支えは、“会社の看板犬”ボーダーコリーの「コリオ君」です。
(「羽鳥慎一 モーニングショー」2024年5月22日放送分より)