東京・浅草のベトナム人向けナイトクラブで違法薬物を使用したなどとして、警視庁が20~30代のベトナム人ら14人を一斉摘発したことが27日、捜査関係者への取材で分かった。
同庁はクラブで薬物がまん延していた疑いもあるとみて、詳しく調べる。
捜査関係者によると、同庁は26日未明、東京都台東区浅草にあるナイトクラブを摘発。当時、店内にはベトナム人約50人がおり、このうち麻薬のケタミンを所持したり使用したりしたとして、麻薬取締法違反容疑で20代の男7人を逮捕した。
他に、留学生なのに店内で働くなどした20~30代の従業員と客の計6人を入管難民法違反容疑で、自宅で大麻を所持したとしてナイトクラブを経営する20代の日本人の男を大麻取締法違反容疑で逮捕した。
店内の椅子の背もたれからは、麻薬とみられる粉が入った小分けの袋9個も見つかった。
ナイトクラブは土曜日のみの営業で、日本人客の入店は認めていなかった。ベトナム人DJをゲストに呼んだイベントをたびたび開催。派手な照明や音楽に合わせ、露出度の高い女性がステージ上で踊る動画などをSNSに投稿していた。
同庁は26日午前1時ごろ、ナイトクラブに入った。捜査員ら約230人と麻薬探知犬2頭を投入した捜索は約5時間に及び、警察官が店を取り囲む中、容疑者らが次々に警察車両に連行された。摘発を知り駆け付けたベトナム人とみられる男女10人ほどが不安そうに、朝方まで捜索の様子を遠巻きに見ていた。