将棋の第9期叡王戦五番勝負第3局が2日、名古屋市「名古屋東急ホテル」で指され、先手の藤井聡太叡王=竜王、名人、王位、王座、棋王、王将、棋聖との八冠=が挑戦者の伊藤匠七段に敗れ、シリーズ2連敗で「八冠」陥落に黄信号がともった。
タイトル獲得通算21期の藤井がタイトル戦番勝負で連敗するのも、先にカド番に立たされるのも初めてのことだ。
戦型は藤井のエース戦法角換わりに。序盤から早いペースで進み、午前中ですでに中盤戦に入った。
AIの示す形勢グラフはゆったりと右肩上がりに藤井局線を描いていたが、先に持ち時間を使い切り、1分将棋に入ったのは藤井。ぎりぎりの秒読みの中、的確な攻めをつないだのは伊藤だった。
藤井は現在、豊島将之九段との名人戦とダブルタイトル戦中。5月8日、9日には東京・大田区の「羽田空港第1ターミナル」で名人戦第3局に臨む。