「涼しかったから上着を着てきたけど、帰りは意外と暑い」「ちょっと汗かいちゃったけど、大したことないからいいか…」汗を放っておくと、ニオイや肌トラブルの原因に。ジメジメして汗をかきやすいこれからの季節に知りたい“汗対策”を、皮膚科医の友利新氏に教わります。
【写真を見る】『汗くさい』はなぜ起こる?大人も「あせも」に注意!今すぐ始める汗対策【ひるおび】
毛穴の奥に、汗をかく「汗腺」と「皮脂腺」があります。汗は約90%が水でニオイはありませんが、皮膚の上にいる常在菌や、皮脂腺から出る皮脂と混ざったときに初めてニオイが発生します。
皮膚科医 友利新氏:これがサラサラの汗だったら流れていきますが、ベトベトの汗だと皮膚の上に常在菌と共にずっと居座ることになります。ベトベト汗”をサラサラ汗”にするか、拭きとることが大事です。
ニオイを発しやすい部位は▼胸▼ワキ▼へそ周り▼股などの、脂質を含んだ汗が出るアポクリン線が多い部分です。
友利医師:これはもうしょうがないですし、アポクリン線自体は遺伝などにより人によって多い・少ないがあります。また、アポクリン腺のニオイは若い人が多い。思春期から20代、30代にかけて多いんですが、だんだんアポクリン線のニオイが少なくなってきたら、今度は加齢臭が出てきます。
恵俊彰:アポクリン線は青春のニオイ”なんだね。
加齢臭が発生しやすい部位は、▼頭▼胸元▼お腹▼耳の後ろ▼首の後ろ▼背中といわれています。
友利医師:加齢臭は大人の香り”という感じで、皮脂などが酸化して加齢臭の物質と組み合わさっちゃうので、ちょっとニオイが違うんですよ。
山形アナウンサー:女性は何か気をつけるべきところはありますか?
友利医師:女性は更年期になると自分で汗をかくというよりは、冷や汗をバッとかいちゃったりするんですね。どちらかというとサラサラ汗になりやすいんですけれど、ずっと汗があることによって不快感があったりするのできちんと拭くのが一番いいですね。
汗をかいてそのままにしておくと、服の中で蒸れてしまいます。すると「あせも」ができてしまい、かゆみや痛み、他の病気の原因になることも。
友利医師:汗をかいたときに吸収しない生地の洋服だと、ずっと汗が皮膚の上にある状態になってしまい、あせもができたりかゆみが出てきたりします。気を付けなければいけないですね。
「あせも」が子どもにできやすいのはなぜでしょうか。人の汗腺は200万~250万。実は大人も子どもも汗腺の数は一緒です。生まれてから3歳位までの間に発達して、それ以上は増えないと言われています。子どもの方が表面積が小さいので、汗腺が密集している分子どもの方が汗をかきやすいのです。特に赤ちゃんは▼首の下▼背中▼オムツをしているおしり周辺▼肘・膝の裏▼頭に汗がたまり、あせもができやすくなっています。こまめに拭いたり、シャワーで流すことが大切です。
友利医師:大人も基本的には一緒ですが、気を付けたいのはデコルテや首の後ろ。あせも以外にも、ネックレスで金属アレルギーがおきたりします。また、腰・お尻は下着やパンツ、シャツなど洋服で二重三重になっている事も多く、ついついトイレなどでかいてしまう方もいらっしゃいます。
これからの時期は、湿度が高く汗が蒸発しにくくなるので年齢問わずあせもに注意が必要です。
汗やあせもの一番の対策は、清潔に保つことです。◆こまめに汗を拭く◆入浴し汗を流す◆通気性のいい服・汗を吸いやすい綿などの服を着る◆汗をかいたら着替える
友利医師:今は汗をふいた後に保湿できるようなアイテムや、顔を拭いても化粧が残るようなアイテムなど、汗グッズが進化しています。お風呂上がりに塗っておくとヒヤッとして汗をかきにくいものもあるので、チェックしてみるといいと思います。
症状が軽いときは市販の塗り薬でも治りますが、症状が改善しない場合は医師に相談してください。
また、これからの時期プールの授業なども始まります。子どもがかいてしまうと傷口から他の菌が入り他の病気になる可能性もあります。
友利医師:やっぱりかきむしっちゃうことで傷ができちゃう。それにより例えばウイルスでイボができたりすることがあるので気を付けてください。子どもに「かかないで」とは言えないので、早めに受診したり薬を塗ってあげるようにしてください。
恵俊彰:大人も一緒ですか?
友利医師:大人も一緒です。基本的に皮膚のバリアがなくなるといろいろなものが入ってきやすくなるのでかかないようにまず汗対策をして、何かあったら塗り薬をしっかり塗っていただければと思います。
恵俊彰:先生かゆいところってかくと気持ちいいじゃないですか。
友利医師:かくとかゆみの物質が出てまた痒くなるんですよ。だからかけばかくほど痒くなるということは知っておいた方がいいと思います。かゆみって本当に難しい。トイレに行ったときなどちょっと安心したときに手がいっちゃうので、いきそうだなと思ったら、手を組んだりしてかかないように。かゆみ止めを塗ったり、後は冷やすなどしてください。
(ひるおび 2024年4月30日放送より)