帝国データバンクは2024年4月30日、主要食品メーカー195社が5月に予定している飲食料品の値上げが417品目に上るとの調査結果を発表した。
品目数は前年より減少傾向にあるが、値上げ率は平均31%と、月次調査を始めた2022年以降で最大だ。
1ドル=150円台後半の円安水準が長期化した場合、今秋にも円安を反映した値上げラッシュが再燃する可能性があるという。調査担当者に話を聞いた。
食品各社の発表資料によると、2024年5月1日から値上げを予定している主な食品は次の通りだ(値上げ幅は税込み)。
帝国データバンクの調査は、上場105社と非上場90社を合わせた主要195社が対象だ。
それによると、家庭用が中心の5月の飲食料品値上げは417品目を数えた。前年同月(837品目)に比べて5割近く下回り、2022年以降続いていた値下げラッシュもひと息ついた感がある【図表1】。
しかし、値上げ1回あたりの平均値上げ率が5月単月で31%と、単月としては過去最大の30%台を記録したのが懸念材料だ。
その理由に挙げられるのが、4月以降に多く発生した深刻な「原材料高」だ。2024年に予定される「値上げ要因の推移」を見ると、「原材料高」が90.5%を占める【図表2】。
猛暑や干ばつなど天候不順による不作で、カカオ豆やインスタントコーヒー製品の原料となるロブスタ豆、オリーブなどの原材料価格が高騰したことが影響している。
また、値上げ要因に「円安」(28.9%)と「人件費」(28.2%)が、ともに昨年(2023年)の約3倍に達していることも今後の大きな不安材料だ【図表2】。
帝国データバンクでは、急速に進む「円安」と「賃上げ圧力」の高止まりが食品値上げに影響を与えるとして、こう分析している。
J‐CASTニュースBiz編集部は、調査を担当した帝国データバンク情報統括部の飯島大介さんに話を聞いた。
――昨年の値上げが合計約3万2000品目に比べると、今年は10月までに予定されているのが約7000品目と、かなり落ち着いてきた感じがありますが、今後はどうなるでしょうか。
――リポートでは「賃上げ圧力」も大きな懸念材料と指摘していますが。
――中東情勢の緊迫化の影響はありますか。
――どういうことですか。
(J‐CASTニュースBiz編集部 福田和郎)