2024年、日本のインバウンド外食需要は大きな盛り上がりを見せている。2020年からのコロナ禍による渡航制限が完全に解除されたことで、訪日外国人数は2019年の水準を上回る勢いで回復した。
日本政府観光局(JNTO)によると、2024年3月の訪日外客数は308万1,600人で、初めて「単月300万人」を超えた。JTBは、2024年の訪日外国人客数が3,310万人になるとの見通しを示している。
また、政府は2030年までに年間6,000万人の外国人観光客、消費額15兆円をめざす目標を掲げており、今後もインバウンド市場の拡大が見込まれている。
外国人観光客にとって、日本食を味わうことが日本への旅行の大きな目的のひとつとなっている。寿司、天ぷら、ラーメンなどの定番メニューに加え、近年は和牛や日本酒など高級食材への関心も高まっている。
飲食業界は、この需要に応えるべく、多言語メニューの導入や食材の説明充実など、外国人客へのサービス向上に努めている。また、SNSの普及により、外国人観光客が日本食の体験をシェアする機会も増えている。
そのため、SNSなどで話題になった飲食店は、一気に人気スポットとなる傾向にある。多くの飲食店は、SNS映えする店舗づくりやメニュー開発にも力を入れ、インバウンド需要の取り込みを図っている。
インバウンド需要が止まることなく拡大を続ける中、SNSを中心に人気を博している日本食に特化したYouTubeチャンネルがある。2017年にスタートした「Momoka Japan」だ。
2024年4月時点でチャンネル登録者数は87万人に迫る勢いで、その数がチャンネルの人気ぶりを示している。
「Momoka Japan」の動画は、道行く外国人観光客にインタビューを行い、日本食レストランやカフェなどに案内して一緒に食事を楽しむという内容で構成されている。
制作にあたっては「仕込みなし」「台本なし」「一発撮り」をモットーとしており、外国人観光客の生の反応を捉えていることが人気の秘訣だ。自然体で繰り広げられるやりとりが、視聴者を引き付けてやまないのだろう。
また、Momokaさんの英語力の高さも見逃せない。関西出身のMomokaさんの軽快でユーモアあふれるトークは、動画に彩りを添え、エンターテインメント性を高めていて、まるで友人同士が会話を楽しんでいるかのような雰囲気が観ていて楽しいのだ。
「Momoka Japan」の動画ファンはとても多く、「いつも、Momokaさんの動画見ると元気出ます!」「Momokaちゃんの話し方は優しさに溢れてますね。最初のあっらー!もスゴく可愛い」「モモカちゃんとご飯食べに行ったら楽しそう!」と、インタビュアーであるMomokaさんの人柄に触れる視聴者コメントも少なくない。
本記事では、600本を超える動画の中から「【旨すぎる!】外国人が初めてモンブランを食べて大感激」という動画を紹介しよう。この動画の中でMomokaさんのインタビューを受けたのは、日本に来て2年のドイツ人アニさんだ。
アニさんは交換留学生として日本を訪れ、その時に「絶対日本に住みたい」と強く感じたという。それから日本での仕事を見つけ、現在日本に住むことができて幸せだと話す。
そんなアニさんは「日本で美味しいものを知りすぎて舌が肥えちゃった」というが、スイーツはどうだろうか。Momokaさんが「日本のモンブランを食べたことはある?」と聞くと、まだ食べたことはないそう。
記念すべき初の日本のモンブランを食べに訪れたのは、絞りたてのモンブランがその場で味わえると話題の、谷中銀座商店街にある有名店「和栗や 谷中本店」だ。
人気店のため順番待ちで並ぶ間、アニさんが日本に訪れた理由をMomokaさんが尋ねると、「初めて日本の地に降り立った時は感激で言葉を失った」と当時を振り返る。日本語を勉強し始めたのは3年ほど前で、「最初のころは恥ずかしくて話せなかった」「間違うのが怖くて日本語を話すのを避けていた」というが、Momokaさん曰くアニさんの日本語は「完璧」。ホームステイを機にその悩みを克服し、「完璧じゃなくても、話すことに意味がある」と気づいたそう。
日本に住みたいという気持ちに理由はないと話すが、実際に住んでみて感じた「日本のいいところ」として、女性でも夜道を歩ける治安の良さや、日本のファッションを挙げた。「自由に好きなものを着れるのがいい!」「日本人は他人に干渉しない」のが良く、特に渋谷や原宿ファッションが好きだという。
ようやく店内に入り、運ばれてきたモンブラン。注文したのは、一般的なモンブランに、モンブランパフェだ。まずはふつうのモンブランから食べてみると、「うっま!」「想像通り美味しい」と笑顔。
モンブランの中には、生クリームと土台のメレンゲが入っている。アニさんはスポンジケーキではなくメレンゲが入っていることに少し驚いていた。
アルプスの最高峰「モンブラン」が名前の由来といわれる洋菓子「モンブラン」の発祥は諸説あり、フランスのサヴォワ地方やイタリアのピエモンテ州と言われている。もともとは裏ごしした栗に生クリームを添えた家庭のお菓子だった。その後、スイスやイギリスではメレンゲを土台にしたモンブランのレシピが登場した。ほかに、タルト台やスポンジを使うレシピもある。
というわけで、モンブラン自体は西洋で生まれたお菓子だが、実は日本式に作られた日本発祥といえるモンブランがある。
東京・自由が丘「MONT-BLANC(モンブラン)」の創業者・迫田千万億(まちお)氏が考案した、同店の店名にもなっている看板商品のモンブランだ。栗は国産を使用し、西洋のマロングラッセではなく、日本人に馴染み深い栗の甘露煮をペーストにして作るため、クリームは黄色い。
日本ではこの黄色いモンブランが主流だったが、時代の流れとともに多様化し、さまざまに発展を遂げている。「和栗や」は、ケーキといえばテイクアウトだったところに、「絞りたてのモンブラン」を打ち出した先駆者だ。
モンブランを食べ進めるアニさんは、「このクリームは全然くどくない」「唯一無二の特別なケーキ」とコメント。栗尽くしのパフェもじっくり堪能し、「日本人って食への関心が高い」「だからこういう作品ができあがる」と感心した様子だった。
モンブランを食べるアニさんの姿に、コメント欄は「一口目のいい表情が、最高に喜ばしい瞬間ですね!いっぱい食べてる姿を見ているだけで、嬉しくなりますね」「見てるこっちが幸せな気分になる」「モンブラン食べたくなった」といった温かい感想であふれていた。
和栗は西洋栗に比べて大粒で、甘さは控えめ、ほくほくした食感が特徴だ。モンブラン自体は日本食でも日本発祥のお菓子でもないが、和栗を使って作られたモンブランには、やはり和栗ならではの魅力がある。
特別珍しい食べ物ではなくとも、訪れたその土地ならではの食材を使用していることが旅先の食の楽しみのひとつだといえるだろう。
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