ほどよく脂がのり、臭みがなくまろやかな味わいで人気のコハダ。収穫量が減っていることもあり、今では高級魚として扱われる。このコハダを巡り、桜の名所である東京・目黒川で騒動が起きている。
地元の人:生まれた時から77年(住んでいる)。聞いたことないね。地元の人:え~こんなの初めて。
地元の人が川で見たのは、驚きの光景だった。
4月上旬、満開の桜と大勢の花見客でにぎわった目黒川。夜桜のライトアップをはじめ、川沿いでは多くのイベントが行われた。
それから数週間後の22日に撮影されたのが、こちらの写真。散った桜とともに水面に浮かぶのは、大量の魚の死骸だ。
東海大学 海洋学部 山田吉彦教授:この写真は“コノシロ”ですね。皆さんになじみがあるのは“コハダ”(出世魚)。目黒川で大量に見つかったのは、寿司ネタとして人気のコハダだった。24日、取材班が撮影された現場に行ってみると、現場やその下流で死骸が確認された。
SNSへの投稿などによると、4月19日ごろから目黒川のさまざまな場所で目撃されていた。川を見た少年:(学校の)帰り道に10匹くらい、川沿いにずーっと何匹も死んでいて。かわいそうだなと思ってた。地元の住民:あーなんか死んでる。なんで?こんなに見たの初めてだわ。怖い、何か有毒なものが流れてるんじゃないかっていうのが、やっぱり一番怖い。
品川区は死骸の一部を回収。水質調査を実施したが、異常はなかったという。
長く住む住民も「初めて」と話す光景だが、原因は意外なものである可能性が。専門家は、目黒川名物の桜が関係していると指摘する。
東海大学 海洋学部 山田吉彦教授:(魚は)目黒川の河口あたりにだいぶ集まっていたところが、満潮に押されるような形で川の中に入り込んできたんだと思います。有機物(桜の花びら)が入ってくると、プランクトンも大量に発生して、酸素を使っている生物がかなり多くなっていますので。川の中の酸素が足りなくなっていたということが考えられます。魚の死骸はまだ残っていて、住民の困惑が続いている。(「イット!」4月25日放送より)