ゴールデンウィーク中に、多くの人が集まる人気の釣りスポット。しかし、このあたりは死亡事故も起きたことがある立ち入り禁止エリアだ。カメラがとらえたのは、危険な防波堤に釣り人を運ぶ違法な渡し船だった。
取材班が向かったのは、神奈川県の川崎港周辺。ゴールデンウィーク2日目となったこの日、沖にある立ち入り禁止の防波堤には、約80人の釣り人がずらりと並んでいた。
高い防波堤の縁ギリギリに立って海をのぞき込む釣り人たちや、釣り竿を手に持ちながら防波堤へとよじ登る男性の姿もあった。
ここで釣りをするのは不法侵入に当たり、軽犯罪法に抵触する可能性がある。釣り人に、なぜ立入禁止エリアで釣りをするのかとたずねると、「法的には立ち入り禁止。渡してくれる業者があるので…。大丈夫なんでしょ」という声が返ってきた。
取材中には、立ち入り禁止の防波堤で釣りをしていた人が、釣り人を港から防波堤に運ぶ「渡し船」に乗り込む姿も目撃された。
イット!は2022年4月にも、危険な行為が相次ぐ横浜港周辺の防波堤を取材していた。そこで、防波堤に客を運ぶ渡船業者の存在が明らかになった。
当時、営業許可を出す神奈川県に話を聞くと、違法となる法律がないと話していた。しかし、防波堤に釣り人を運ぶ行為が横行する中、2024年4月1日に遊漁船業法が改正され、渡し船は立ち入り禁止場所に客を乗せることができなくなった。違反した業者には、1億円以下の罰金が科せられることもあるという。
法律改正後も違法な営業を続ける渡船業者に直撃取材すると、驚きの答えが返ってきた。
「やっています。そりゃ収入源なくなりますからね。もう(営業が)どうなるか分からない。そのまま続けていけるかどうか…」
神奈川県は、猶予期間が明ける2024年10月にも、違反した業者に罰則などの対応を取るとしている。(「イット!」 4月29日放送より)