赤ベンツに乗って不倫に勤しむ議員がいるかと思えば、パパ活がバレてしまって辞職する議員も現れるなど、とかく不祥事には事欠かないこのところの自民党である。そして今回ご紹介するのは「勤務中」の問題行動だ。
折り返し地点を迎えた今年の通常国会。折からの政治資金パーティー問題で自民党全体に国民からの冷ややかな目が注がれる中、予算委員会中に目を疑うような行動を取る自民ベテラン議員が……。「仕事中」のはずなのに、やたらとお金にまつわるリサーチばかりしているのである。数々の証拠写真と共に見てみよう。
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【写真を見る】やる気ゼロ? 委員会中に「株価」「スポーツくじ」をチェックする塚田議員
その議員とは、塚田一郎氏(60)。
銀行勤務を経て、麻生太郎代議士の議員秘書に。新潟を地盤に、参院2期を経て現在衆院1期目の中堅議員である。国交副大臣だった2019年、安倍総理と麻生副総理(当時)の地元をつなぐ下関北九州道路の整備について、「私が忖度して国直轄の調査に引き上げた」と舌禍を起こして辞任に追い込まれたこともあったが、それ以外に目立った“業績”を聞くことはない。
国会期間中に行われた政倫審は自民党大物議員が指弾されつつも、「記憶にない」を連発して、結果は不発。39人の議員が処分されても、それは党内での話で、さらに言えば「安倍派と二階派だけのことだろう……」と、麻生派の彼はタカをくくっていたのか。世間の注目が集まる今国会、予算委員会の最中に、目を疑うようなことを、一度ならず、二度三度繰り返していたのである。
2月5日、朝10時に始まった委員会は午後5時を回っても続いていた。テーマは今国会の重要法案のひとつ「食料・農業・農村基本法改正」についてである。“米どころ”が選挙区の彼にとって他人事ではないはずだ。
ところが手元のタブレットが映すのはショッピングサイトの「カバン」である。さらに別の日には、株価のチャートを凝視したり、不動産サイトやスポーツくじのページを閲覧したりする様子も見られた。
ネットショッピング、投資、不動産、スポーツくじと、とにかくお金に関係したサイトが好きなのは、「貯蓄から投資へ」という政府方針とは関係なく本人の資質であろう。深読みすれば「カバン」は政界では資金力を意味する俗語だ。
この塚田氏とはどういう人物か。
「ワインとか語って、キザな人なんだよね。選挙も熱がこもってなくて、この前も比例復活ですからね」(自民党関係者)
舌禍とキザは、かつて秘書として仕えた麻生氏譲りなのかもしれない。
それにしても政治とカネの問題がこれだけ注目されているのに、予算委員会というオープンな場でこういう振る舞いをしているのはどういう神経なのか。
本人に聞いてみたところ、テンプレートのような弁明が返ってきたので、最後にご紹介しておこう。
「記憶が定かではなく、真偽の確認は困難です。しかしながら、それらの事項が真実であったならば、誤解を招くような挙動については真摯に受け止め謝罪するとともに、引き続き微力ながらわが国と新潟県の発展に尽力して参る所存にございます」
撮影・福田正紀
「週刊新潮」2024年5月2・9日号 掲載