自民党安倍派の裏金問題で、派閥からの指示があったことを認め、「安倍派を介錯する」と語っていた前防衛副大臣の宮沢博行氏(49)が議員辞職した。
理由は「週刊文春」で報じられた女性問題。既婚者ながら28歳の女性と金銭援助を伴う同棲生活を送っていたこと、出会い系サイトを使った買春疑惑、連日にわたる派遣型風俗店の利用などが明るみに出た。
2012年の衆院選で国政に進出した宮沢氏は4期目で、昨年9月には防衛副大臣に起用されていた。学生時代から続ける剣道は6段の腕前で、妻と長男、長女、次女の5人家族だった。
「週刊文春」の直撃取材に対し、「(理由は)寂しさと欲望です。相当、性欲が強かったものですから」と素直に打ち明けた宮沢氏は、いったいどんな人物なのか。
前編記事『宮沢博行前防衛副大臣の実母が告白…パパ活不倫で辞職した「息子への思い」』に続き、本会議で辞職が許可された25日、静岡に住む母を電話で直撃した際のもようをお届けする。
「お嫁さんのほうにも取材が殺到しているようです。昼も夜も記者が自宅に来ているみたいで。生んだのは私。責任を感じます。
息子はどうでもいいけど、お嫁さんと孫が心配です。お嫁さんは私と違って、強いタイプではないから。いますぐ自宅に駆けつけたいけど、なかなか連絡が取れなくて。孫は学校もある。今回のことで孫たちが傷つくのが何よりも心配です」
宮沢氏の行動は、政治家という立場では許されるものではない。しかし、記者とのやりとりからはどこか憎めない人柄がうかがえる。
新幹線のホームで「議員、大事な話です」と「週刊文集」記者の直撃を受けると、「何? スキャンダル?」と対応。「心当たりがありますか?」と問われると、「こっち?」と言いながら小指をピンと立てたという。
また、同誌が報じた「パパ活」疑惑について追及する取材陣に対しては、詳細こそ明かさなかったが、「大変申し訳ございません。記憶にございます」と回答。映画のタイトルにまでなった政治家の常套句「記憶にございません」の真逆の言葉で応じ、SNS上では「潔さは買う」「素直なことは評価できる」「なぜか嫌いになれない」という声もみられた。
「泥臭いというか。そういう育ちだからじゃないですか。ほかの議員さんみたいに上流家庭の育ちではないので」
――「週刊文春」の取材に対し、息子さんは「青春を取り戻したい、という気持ちもありました」「当時、異性関係、ゼロでしたから」と答えていました。母から見てどんな青年でしたか?
「一生懸命勉強やってきた人たちはみんなそうだったと思います。高校生の頃、彼女を連れてくるようなことは一度もありませんでした。学生時代は生徒会長をやったり、応援団の副団長をやったり、剣道をやったり、そんな暇はなかったんじゃないかな。
でも、一人暮らしを始めてからは、『あれっ』と思うようなこともありました。掃除のために部屋を訪れたこともありますが、『これは私が見ちゃいけないやつだ』ということが何度かありました」
――エッチな本があったりとかですか。
「そうそう。普通の男の子に成長しているのかなと母親としては安心しました。私はいま、応援してくださった方に頭を下げて回っていますが、地元の方にも『あの子も男の子だったんだね』なんて言われます。
でも、議員としてはやってはいけないことをしたのは事実です。下半身はここぞというときだけ使えばいいのに。そうじゃないときに使うからおかしいことになるのよ」
宮沢氏は議員辞職願を提出した23日夜以降、雲隠れを続けており、残された秘書や事務所スタッフが様々な対応に当たっているという。
「息子に『逃げ隠れするんじゃない。謝罪行脚しろ』とメールしたところ、『いま謝罪の電話を片っ端からかけています』と返事が来ました。
でも、悪いことをしたら顔を晒して謝るのが筋でしょう。裏金問題のとき、本人がいろいろ言っていましたよね。であれば、街頭に立って、有権者の皆さんに直接お詫びすべきです。
顔を合わせたら? 亡くなった旦那も私も曲がったことが大嫌い。迷わず引っぱたきます。あるいはグーでぶん殴るか」
――息子さんは厳しい立場に置かれましたが、家族もいますし、人生は続きます。母親としてどんな再起の道を歩んでほしいですか。
「まずは皆さんへのお詫びです。逃げずに、男らしく、最後までやってほしい。そして、それが落ち着いたら何でもいいから働くこと。今度は土木工事でも何でもいいから体を使って働くべき。体がなまっているからこんなことになるんですよ。
うちには茶畑もあります。頭でごちゃごちゃ考えず、体を使って汗を流し、一から出直してほしい」
厳しくも温かい言葉で一刀両断した母。その思いは宮沢氏に伝わるだろうか。
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