ドジャース・大谷翔平選手の口座から日本円で約24億5000万円を不正送金した銀行詐欺の疑いで訴追された水原一平容疑者。水原容疑者と賭博の元締め側とのやり取りがわかってきました。 水原容疑者が違法なスポーツ賭博を始めたのは2021年9月のこと。米連邦検察の資料によりますと、次のようなメッセージがあったということです。 【2021年9月】 (水原容疑者)『サッカー(賭博)でふざけて遊んでいるんだ(笑)(賭けたチームは)完敗だった!!!』
そこからわずか4か月後、水原容疑者に変化が見られるようになります。 【2022年1月】 (水原容疑者)『賭博の上限額を引き上げてくれる?全額負けてしまった』 (賭博の元締め側)『限度額を5万ドル(約770万円)にした』 掛け金の限度額を上げるように依頼。状況は瞬く間に悪化し…。 【2022年12月】 (水原容疑者)『もう20万ドル(約3060万円)頼む。母にかけて誓うよ。これが最後だ。何度もすまない』 (賭博の元締め側)『問題ない。手続きしておいた。メリークリスマス』 しかし、これが「最後」とはなりませんでした。 【2023年6月22日ごろ】 (水原容疑者)『またやられた(笑)最後にもう1回だけバンプ(限度額の引き上げ)してもらえる?もし負けてもこれで最後にするよ』 【2023年6月23日ごろ】 (水原容疑者)『最後にもう一度だけバンプ(限度額の引き上げ)できない?口座に金があるうちはこれが最後だと約束する』 【2023年6月24日ごろ】 (水原容疑者)「最後の、最後の、最後のバンプ(限度額の引き上げ)をできない?これは本当だ…本当に最後だ」 掛け金の限度額の引き上げを繰り返します。その後、水原容疑者からの連絡が途絶えると、胴元からは、次のようなメッセージがあったということです。 【2023年11月】) (賭博の元締め側)『イッペイ、金曜日の2時になった。なぜ折り返しの電話がないんだ。大谷選手が犬を連れて歩いているのが見えるが、彼に話しかけようか。すぐに電話をくれ』 そして今年3月、“違法賭博”が報じられた直後には、こんなやりとりを残していました。 【2024年3月】 (水原容疑者)『報道は見たか?』 (賭博の元締め側)『見た。でたらめだろ?君は盗んでいない』 (水原容疑者)『厳密に言うと盗んだんだ。もう僕は完全に終わりだ』 今回の違法賭博問題の捜査を行う国際犯罪のスペシャルチーム・HSI(国土安全保障捜査局)で捜査官をつとめていたジェームズ・ヘイズ氏に、話を聞きました。 (元HSI捜査官 ジェームズ・ヘイズ氏)「これは明らかに我々が普通見ないような賭けの手順で、こんなお金の動きは見たことがありませんし、本当に異常ですよ」 そして、水原容疑者の起訴のタイミングは「異例」だといいます。 (元HSI捜査官 ジェームズ・ヘイズ氏)「(Qこんなにも早く起訴されるのはちょっと信じられないが?)アメリカでもこれは実に異様なスピード感ですよ。当局がここまで踏み込んだのは、水原容疑者を、胴元であるブックメーカーから守るための措置というのが主な目的だろう」