2026年3月31日、NTTドコモの3G通信回線「FOMA」と、インターネットサービスの「iモード」が終了する――。
NTTドコモは2024年3月21日、あらためてこの案内を公開した。
もっとも、KDDI(au)やソフトバンクはもっと早くに、3Gサービスを終了している。なぜドコモだけは、長きにわたってサービスを継続してきたのか? 携帯電話の事情に詳しいITジャーナリストの三上洋氏を取材した。
NTTドコモの「iモード」は1999年2月にサービスを開始した。過去のリリースなどによると、2000年8月に契約者1000万人、2001年3月に2000万人、2003年10月には4000万人と契約者数を倍増させてきた。
また、3Gサービスの「FOMA」は2001年10月に開始。3G回線を使ったこれまでよりもはやい通信サービスとなり、存在感を発揮した。だが、2026年3月末でサービスを終了することになる。
とくに、携帯電話の普及をけん引したともいえる「iモード」について、ITジャーナリストの三上洋氏はこう話す。
もっとも、競合のKDDI(au)とソフトバンクでは、NTTドコモよりもはやく3Gサービスを終了させている。
具体的には、KDDI(au)の3Gサービス「CDMA 1X WIN」は22年3月末でサービスが終了している。ソフトバンクでは24年4月15日に終了する。
ちなみに、ソフトバンクの場合、当初は24年1月31日終了の予定だったが、能登半島地震の影響により延期した。さらに被災地の状況を踏まえ、石川県在住者にかぎり、24年7月31日まで利用可能となる。
これら2社と、NTTドコモの違いはなにか――。
ITジャーナリストの三上氏は「FOMAやiモードの通信機能はモジュール端末として、産業機械に組み込まれていたことが理由です」と指摘する。
どういうことかといえば、たとえば飲食店や工場検品のバーコードリーダー、ガスや電気の検診器など、法人需要が強かったことが挙げられるという。そこで、これら機器の移行に時間がかかるために、NTTドコモではサービス期間を長くとったという。
また、NTTドコモの場合、いわゆる「ガラケー」の契約台数が多く、「iモード」契約も相当数残っていたこともあいまって、サービス提供を伸ばしたのではないかとみる。