埼玉県久喜市の市立小学校で2022年度、同級生7人からいじめを受けた児童が38日間欠席していたことがわかった。
市教育委員会はいじめ防止対策推進法に基づく「重大事態」と認定し、実施した調査の報告書を28日に公表した。児童は登校するとじんましんが出るようになったといい、報告書は「いじめが児童に与えた影響は大きい」との見方を示した。
報告書によると、1、2学期の開始時に、児童のマスクがごみ箱に捨てられていたり、水筒が一時的になくなったりしたため、22年8月に保護者が「いじめではないか」と学校に訴えた。
しかし、この後も23年1月までの間に、▽他の児童が掃除をさぼったなどと担任に伝えたことで、男子ほぼ全員から「チクリマン」と言われた▽体育の時間にティーボールの球を拾っていたところ、別の児童が振ったバットが肩に当たり、「お前が悪い」と言われた――といった10件のいじめ行為が確認された。
また、学校側が保護者の訴えを受けてから約5か月間、いじめに関する記録を残していなかったことも指摘。いじめ防止の基本的な方針を守れていないなどと問題視した。
報告書は、当該校の教諭と、保護司や弁護士などの外部専門家などでつくる委員会が23年3月から24年1月まで調査を行い、まとめられた。