コロナ禍で注目を集めたUber Eatsや出前館などのフードデリバリーサービスだが、最近は配達員の報酬単価が激減しているという。
新型コロナウイルス流行中は、フードデリバリーは“よく稼げる副業”として人気を集め、月収100万円を達成した配達員がニュースなどで取り上げられることもあったほどだった。
だが今年2月にとあるネット掲示板で、都内のUber配達員がまともに稼げない現状を嘆いたスレッドが立てられ話題に。スレッド主によると、とくに平日の単価が低いとのことで、まともに稼げるのは土日だけだという。そして、そんな土日の単価でさえも以前に比べると低下しているそうだ。
コロナ禍によって特需だったフードデリバリーだが、現状は厳しい状態に陥っているのだろうか。
まずはネット掲示板に書かれていたように、フードデリバリー配達員の単価が実際に下がっているのか検証してみたい。そこでUber Eatsで配達員をしていた方と現在も配達員を続けている方にそれぞれ話を伺った。
最初は、都内で2018年秋ごろから2022年末までUber配達員をしていたという方の話から。
「隙間時間の副業として始めて、1日10件ほど、月に2万~4万円ほど稼いでいました。その始めた当時の単価は400円弱から700円程度でしたね。
ただ単価が下がっているということについては、私自身もはっきり実感していました。配達員を始めて最初の頃は配達距離が短くても、先ほどお伝えしたように1件につき400円弱はもらえており、配達距離が長い場合は1件につき500円~700円ほどの報酬をもらえていたんです。ですが私が配達員をしていた後期にはもう下がっていて、最低単価の基本報酬となる300円の案件が多くなり、距離が長くても500円くらいの報酬になってしまっていました。Uberの配達料金の改定以降は割に合わないと感じ、辞めてしまいました」
Uber eatsの配達料金は何度か改定されているが、特に2021年5月に行われた変更が“改悪”だと話題になっていた。基本報酬が300円となり、多くがこの最低単価である300円の案件になってしまったという。
改訂以前は配達距離が長ければ長いほど配達料金も増えたが、改定以後は配達距離だけでなく時間帯やエリアなども算定項目に。この仕組みの複雑化により配達員の収入が上がればいいのだが、実質的な報酬引き下げの改悪だったため、ほとんどの配達員は月収ベースで収入が低下。
当然、配達員から批判の意見が相次いだため、2021年12月には再度の改定が行われたが、それでも報酬が元のように戻ったという配達員はあまりおらず、報酬が下がったままという声が多かった模様。要するに、コロナ禍が落ち着いていくにつれ、Uber配達員の収入の減少傾向が続いているということだ。
では次に、北海道札幌市で現在もUber配達員を行っているという方に話を聞いた。
「私は2021年1月から始めていまも続けています。多い日で30件以上、閑散期でも20件は配達をこなしており、週5日働いた場合、閑散期だと月収は手取りで16万~20万円、繁忙期には30万~40万円いくこともあります。
ネット掲示板の話は都内なので一概に比較はできませんが、札幌でも閑散期の単価は下がっている印象を受けます。平均単価は400~500円程度ですが、昼のピーク前や早朝の時間帯の単価はとくに安くなりますね。渋滞や商品のピックアップに時間がかかる場合に支払われる“調整金”という報酬が昨年末から付きづらくなっていて、時間ロスに対する補償も薄くなっているように感じます。
私自身、今後は配達員をメインにした生活には見切りをつけるべきだと考えています。いつまでもデリバリーの需要があるとも限らないですし、周囲の配達員仲間のなかには曖昧な理由でUber側からアカウントを停止されてしまったという話も耳にするので、今後続けていくことには不安が大きいです」
都内のみならず、地方でも単価下落という同様の傾向があるようだ。また両者からは、配達員が飽和状態であることも単価が下がった要因なのではないかとの指摘もあった。
記事後編は「ユーザー数の激増から一転、厳しい状況に。ウーバーイーツや出前館に起きている“異変”」から。
ユーザー数の激増から一転、厳しい状況に。ウーバーイーツや出前館に起きている“異変”