「よくご心配のコメントやDMをいただきますので、1度きちんとお話しておこうと思い撮影いたしました」。SNSに姉弟の日常を投稿している人気キッズアカウントのママが、昨年末、5歳になる長女つーちゃんの“目の症状”について公表した。つーちゃんは「寄り目」だ。疾病名は『屈折異常弱視 遠視性乱視』。診断された3歳当時の視力は右目0.4、左目0.3だった。今までInstagramで公開していなかったメガネ姿で自身の病気について話す動画は446万再生され、同じ症状を持つ当事者やその保護者から多くの激励コメントが寄せられている。

■3歳児健診で指摘された娘の視力「絵も文字も読めていたのに…」

つーちゃんが住んでいる地域の3歳児健診を受けたのは3歳8ヵ月の時。眼科の先生から『かなりひどい遠視だと思います。病院で1度検査してください』と告げられたという。病院で詳しく検査した結果、遠視は右目が+7.0左目が+7.5、視力は右目0.4左目0.3の斜視だった。その後すぐに治療の準備を開始したが、治療用メガネを作りに行った際『+7.0…!? ちょっと扱ったことないのでメーカーに確認してみます!』と言われ、改めて症状の重さにショックを受けたと話す。

【画像】「似合う!」「衝撃的に可愛い…」メガネ姿を初公開したつーちゃん

――娘さんの「目の違和感」に気が付いたのは3歳児健診の時とうかがいました。それまでは視力についてママパパが不安に思うようなことは…

「全くありませんでした。絵も文字も読めていましたし色の識別もできていたので…。私も小3の頃に遠視と診断されましたが、視力自体は昔も今もずっと両目1.5なので、遺伝的な不安なども持っていませんでした。とにかく驚いて、すぐに病院に行きました」

――診断されたときのお気持ちについてうかがえますか。

「『どうなるんや?これから…』という感じでした。弱視というものについての知識が無さすぎたため、一生ほとんど目がよく見えないのかな?と思ってしまい、絶望に近かったと思います。ですが、どうしようもないことなので、1日くらい悲しんでから『やれることやろう』という気持ちに転換しました」

――娘さんご自身は視力の病気をどのようにとらえているご様子ですか?

「まだ5歳なので、ただただ『そういうものなんだ』という感覚のようです。弱視は自分にとって病気ではなく特徴くらいの感覚なんだと思います」

――治療開始から半年ほどで視力は右目1.2 左目0.8まで回復し、現在は毎日アイパッチ治療をしていらっしゃるそうですが、今後の治療プラン(ゴール)について教えてください

「ひどい遠視性弱視なので長期的に治療用眼鏡をかけつづけ、焦点・斜視が治って視力が両目1.0以上に回復したらゴールかなと思います。もしかしたら1年で終わるかもしれないし、あと10年かかるかもしれないけれど…」

■治療できること可愛い眼鏡があること、公表したことで届いた感謝の声

――目に見える症状や病気は、どうしても周囲からの視線を集めやすく、それが当事者やご家族を傷つけたり、負担になることも多々あります。今回の娘さんの“目の症状”の公表についても「心配のコメントやDMをもらうこと」がきっかけになったとありました。改めて、公表を決意するまでのお気持ちと、経緯についてうかがえますか。

「これまで道端で知らない方から『テレビばっかり見せてるからや!』『こんなちっちゃいのにメガネかけてかわいそうに…』などと言われたことがあります。腹が立ちましたが、相手にすることなく、ただ、思いはくすぶったまま日々を過ごしていました。そんな中、最近はネットでも指摘がくる。もちろん、心配してくれる声は嬉しかったのですが…」

――周囲に理解を求めるための公表だった。

「そうですね。つーちゃんのことをちゃんと知って欲しい、そして親も娘も一緒になって治療に取り組んでいるのだというのを知って欲しい、その気持ちの2つがありました」

――投稿には大きな反響があり、同じように幼少期から遠視・弱視などを患っている当事者やその保護者から多くのコメントが寄せられていました。改めて、公表した後の今のお気持ちについてお聞かせください。

「弱視だと言われると一生、目がほとんど見えないんじゃないかと思う人って結構いると思うんです。私もそうでしたし。ですが眼鏡で治療できることや、とても可愛い眼鏡があることを発信したことでたくさんの方からお礼を言われたのは嬉しかったです。また、この動画を全員の方が見るわけではないので、いまだにコメントなどでより目について言われますが、フォロワーの方々が私の代わりに『つーちゃんは弱視なんだよ』と教えてくださっていて助かります。つーちゃん自身も初めてメガネ姿を披露して、『可愛い可愛い』と言われたことをとても喜んでいましたし、総じて公表してよかったなと思っています」